「ダーク・ナイト」編
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『監視されてるだとッ!?』
「……ちょっと新一、監視は大袈裟だから。少し落ち着いてよ」
耳元から響くコナンの大声に名前は困ったように眉を寄せる。そして、コナンを落ち着かせようとあえて落ち着いた口調で声をかけた。
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「だから…ここ数日、時々誰かに見られてるような視線を感じるだけよ」
『…………。』
「私の勘違いかもしれないけど……心当たりがあるとしたら、新一達の組織の件でしょ。だから一応確認しただけ」
黙り込んで名前の話を聞いているコナン。名前は電話口から相槌すらも返ってこない状況に戸惑いながらも、一通りの状況を説明する。
『…………。』
「…………。」
『そうか。だが、お前がそう感じたなら勘違いって事はねェと思う』
「……そうかしら」
(良かった。とりあえず少し落ち着いたみたいね…)
しばらくして、ようやく電話口から返ってきたコナンの声は、先程までのトーンと違ってだいぶ落ち着いている。名前は、その事に安堵の息をつきながら言葉を返す。
「ま…そもそも、例え本当に組織に尾行されていたとしても…哀ならともかく、私が気付けるとも思わないんだけどね」
『ああ…確かに。例え尾行にしろ、奴らがそう簡単に尻尾を出すとは思えないからな。だが、用心するに越した事はねェ。何かあったらすぐに連絡しろよ。』
「ありがと…とりあえず私も気をつけてみるわ」
(組織の方は動きはないみたいだし……とりあえず一安心ね)
名前はコナンに確認した事で肩の力が抜けた事を感じるが、コナンはそんな名前を尻目に、ふと思い付いたように口を開く。
『ああ……まぁ、当面は普段からうざいくらいオメーに張り付いてる黒羽の野郎に、なるべく一緒にいてもらうんだな』
「あー……うん」
『おい、オメー……もしかして、こんな大事な事をあいつに話してねェのかよ?』
(あんな野郎でも…頭も切れるし、事情を把握して、そばにいるならそれなりに安心かと思ったのに…)
コナンは、名前の曖昧な反応を受けてどこか呆れたような声を出す。
「だって……快斗ちょっと忙しそうだし。落ち着いたらで良いかな…って」
『忙しいって……まさか、また泥棒の事を言ってるんじゃねーだろうな?』
言いにくそうに話す名前の返事に、コナンは事情を感じとったのか冷たい口調で尋ねる。
「………さぁ?」
(そういえば、快斗明日が仕事って言ってたから……もう予告状は出してると思うけど。今回は新一達、現場に行かないのかしら)
コナンの問いをはぐらかしながらも、ふと恒例となっている予告状の事を思い出して、名前は首を傾げる。
『ったく、懲りねェ野郎だな……俺達はおっちゃんの依頼の関係で明日から3~4日大阪に行く予定なんだ。だからキッドの事件の方はおっちゃん断ってたけどな。まーた中森警部は張り切ってるみてーだぜ』
そんな名前の気持ちを読んだかのように、コナンは平然とそう告げたのだった。