「時計じかけの摩天楼」編
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『ドォォン!ゴゴゴゴッ!!』
「おい、名前っ!!大丈夫かっ!?返事しろっ!」
激しい爆音が響く電話に向かって、快斗は顔を青くしながら必死に声をかける。
---ツーツーツー
しかし必死の快斗の問いかけも虚しく、通話がブツリと途切れる。
「…………蘭」
そんな快斗の足音で、コナンも呆然としたように蘭の名前を呟いた。
card.567
「てめェっ!!蘭を…蘭と名前を…あの2人をどうするつもりだっ!?」
小五郎は、森谷の胸倉を掴みながら森谷に大声で詰め寄る。
「フッフッフ…まだ、あそこのロビーの出入口と非常口を塞いだだけだ」
そんな小五郎とは対照的に、森谷はニヤリと笑って冷静に答える。
「フッフッフ、お楽しみは…まだまだこれからだよ……」
「!?」
不気味な笑いと共にそう告げる森谷の言葉に、快斗は小さく息を飲むと小五郎の隣から森谷に詰め寄っていく。
「おいッ!米花シティビルを……名前をどうするつもりだっ!!」
「……ふっ、工藤新一に伝えるんだな。"早く行かないと、大事なガールフレンドがバラバラになってしまうぞっ!!″……とな!」
「てめェッ!!……オメーのくだらねェ美学の為に、他人を…名前を巻き込むんじゃねぇ!さっさと爆弾を止めろ!!」
「はっはっは…私の望みは作品の抹殺だ……後から爆弾を止める術など、用意してあるわけないだろう」
快斗の言葉に、森谷は至極楽し気にそう答える。
----ドンッ!
「………くそっ!!」
快斗は苦々し気に森谷を突き飛ばす。それでも尚も涼し気な顔をしている森谷に何か言おうと口を開きかけるが、ふと何かを思い付いたように口をつぐむ。
「…………。」
(待てよ……シネマロビーの出入口と非常口を塞いだだけなら…まだ間に合うかもしれねェ!!)
---ダッ!!
そして、くるりと踵を返すと目暮達の横を駆け抜けて勢いよくギャラリーから飛び出していく。
「く……黒羽君!!」
いきなり飛び出して行った黒羽に、目暮は目を丸くする。
「あっ…!?」
「……え?」
そんな時、森谷は快斗に突き飛ばされた拍子にジャケットの胸元から飛び出してしまった封筒を見て眉を寄せるが、両手を手錠で塞がれてる状況ではどうする事も出来ない。
---バッ!
それを見たコナンは、勢い良く森谷に飛びついて胸元から封筒を奪い取る。
「なっ…何を、小僧!?」
慌てる森谷を尻目に、コナンは封筒を奪いとって華麗に着地すると封筒の中身を取り出す。
「……!?」
「こっ…これは!?」
コナンが取り出した紙を、コナンの後ろから覗き込んだ小五郎や目暮は、目を丸くして顔を見合わせる。
「これは、爆弾の設計図か…?」
「これで爆弾を止める事が出来るかもしれない!!」
「新一兄ちゃんに渡して来るっ!!」
「待つんだ、コナン君!!今、爆弾処理班を出動させるから!!」
コナンは爆弾の設計図を持って飛び出そうとするが、それを目暮が呼び止める。
---ズゥゥゥン!!ゴゴゴッ!
そんなやり取りをしていると、突然低い地鳴りのような音と共に建物がぐらりと揺れる。
「……な、何だ!?」
----シャッ!
小五郎達が、慌ててカーテンを開けて外の様子を確認する。
「あ……あれは!?」
目暮や小五郎達の視線の先には、黒煙をあげている米花シティビルが見える。
「くそっ…爆弾処理班なんて、待ってられっかよ!!」
それを見たコナンは、悔し気に舌打ちするとギャラリーを飛び出そうと、駆け出していく。
「待てっ、小僧!!」
「?」
そんなコナンの背中に向かって、森谷が真剣な口調で声をかける。
「工藤に会ったら、こう言っておけ!!"お前の為に、3分作ってやった!じっくり味わえ!!″ってな!」
「?」
(……3分…何の事だ?くそっ!とにかく今は、爆弾をどうにかしねェと!)
コナンは森谷の言葉に一瞬首を傾げるが、今は爆弾が先だと思い直すと再び踵を返してギャラリーを飛び出して行った。