「時計じかけの摩天楼」編
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「……ふっ」
新一の問いに、森谷は動揺する事もなく口元に僅かに笑みを浮かべながら口を開いた。
「ははっ……残念ながら、君の推理には証拠がない!」
森谷の不敵な言葉に、小五郎や目暮達は眉を寄せて新一と繋がる電話を見つめた。
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「…………。」
(そろそろか……)
森谷の言葉に、コナンはチラリと腕時計を確認して口を開く。
『……証拠ならありますよ』
「なっ…何!?」
新一の思わぬ言葉に、森谷は驚いたように目を見開く。新一は、そんな森谷を尻目に更に言葉を続ける。
『証拠ならちゃーんとありますよ。……さて、その証拠というのは…そろそろ……』
---ガチャ、
「……っと、邪魔したか?」
そんな新一の言葉を遮って、ふいにギャラリーの扉が開く。
「黒羽君じゃないか…」
白鳥達がギャラリーの入口に目を向けると、片手に何かを抱えている快斗の姿があり、目暮はきょとんと首を傾げる。
「そういえば、お前っ……今までどこに行ってたんだ!?それも今、一番大事な所なのに……」
一番大事な場面で突然割り込んできた快斗に、小五郎はいつもの調子で怒鳴りつけようとするが、そんな小五郎の言葉を遮って電話口から新一の声が響く。
『黒羽、今手に持っているものを白鳥刑事に渡してくれ!!』
「へいへい……」
(………ったく。俺は、オメーの助手かよ)
快斗は、チラリとコナンが隠れている物陰にジト目を向けたあと、新一の言葉通り白鳥に近付いて行って手に抱えていた物を白鳥に手渡す。
「白鳥刑事、お願いします」
「あ、ああ……ん?これは…爆弾犯の変装道具!?」
白鳥は不思議そうに快斗から受けとった物を確認すると、驚いて目を見開く。
「ばっ…馬鹿な!?それは、書斎の金庫に!!」
「ああ……悪ぃけど、金庫の中から拝借させてもらったぜ?ちびっ子探偵団が証言した爆弾犯の似顔絵にそっくりの…この変装道具をな」
「なっ……!?」
(馬鹿な……金庫には確かに鍵をかけたはず……)
「森谷教授、署までご同行を……」
思わぬ展開に狼狽する森谷を尻目に、白鳥は真剣な表情で森谷に近付いていく。
「くっ……動くなっ!!動くと、この屋敷に仕掛けた爆弾を爆発させるぞっ!!」
すると森谷は、白鳥の腕を振り払ってポケットから起爆装置と思われるライターを取り出す。
「ひっ……!!」
「ばっ…爆弾!?」
「おいおい……まじかよ」
(ここでも爆弾かよ………ん?)
突然の森谷の言葉に、慌てる目暮達とうんざりしたように眉を寄せる快斗。その時、快斗は今まで身を潜めていたコナンが涼しい顔をして、スタスタと自分達の元へ近付いて来るのに気がつく。
「……爆発しないよ」
そんな快斗をの視線を尻目に、コナンは目暮達の足元まで来て平然とそう告げる。
「「「………え?」」」
「だって……その起爆装置、電池がないんだもん」
コナンは、ニッコリ笑ってポケットから電池を取り出す。
「馬鹿なっ……い、いつの間に!?お前…なぜこれが起爆装置だと分かった!?」
森谷はコナンの言葉に、先ほどとは打って変わって動揺する。
「だっておじさん、ライターを使ってないじゃない。さっきパイプに火をつけるのも長いマッチだったし……」
「!?」
「それに、さっき快斗お兄さんが言ってたけど…」
コナンはチラリと快斗を見ながら、ニヤリと口元に小学生らしからぬ笑みを浮かべて言葉を続ける。
「歩美ちゃんが気付いた甘い匂いって……パイプの匂いの事だったんじゃないか……ってね?」
「なっ……!?」
「逮捕だぁぁっ!!」
反論する事が出来ない森谷に向かって、目暮が勢いよく指をさす。
---ガシャン…
そして、森谷の手には冷たい手錠がかけられる。
「……………。」
(ははっ……本当、いつも良いとこどりだな…こいつは)
快斗は、目暮の足元で満足気にニヤリ笑っているコナンを見て小さく肩を竦めた。