「時計じかけの摩天楼」編
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---プルルル、プルルル
「もうっ…さっき私が少し出るのが遅れただけで怒ってたのに、快斗こそ何で出ないのよ…!」
名前は、耳元で虚しく響き続けるコール音に大きくため息をつく。
「環状線の爆破予告……」
(東都内の事件だから、当然目暮警部の管轄よね。こんな大きな事件、新一が黙って見てるわけない…)
名前は何かに気付いたように小さく息をのむと、快斗の携帯にかけ続けていた発信画面を切って、違う人物の番号に向けて発信した。
card.563
---プルルル、プルルル
「もしもし?」
病院でコナン達と別れ、阿笠邸でのんびりと雑誌をめくりながら珈琲を飲んでいた灰原は、ふいに鳴り響いた携帯に面倒臭そうに手を伸ばす。
『哀っ…!?』
「名前?何よ…急にどうしたの?」
灰原は、耳元で突然響いた名前の大声に眉を寄せると、珈琲を机に置きながら言葉を返す。
『新一…電話がずっと通話中で出ないんだけど、今そばにいる?』
「……工藤君?今はいないけど」
『今はって事は……』
「ええ、ついさっきまで一緒にいたわよ」
(工藤君の電話が通話中か……あれから随分時間もたってるし、推理か何かに使ってるのかしら?)
灰原は部屋の時計に視線を向けながら、ぼんやりと考えを巡らせながらる。
『ねぇ…哀、新一もしかして環状線の爆破事件に首突っ込んだりしてない?』
「……その通りだけど。あなた、映画館にいるんじゃないの?どうして事件の事なんか……」
『快斗もっ……』
「え?」
珍しく焦ったように自分の言葉を遮る名前に、灰原は僅かに目を見開く。
『新一だけじゃなくて…快斗も電話に出ないのよ!もしかして、あの2人……快斗も事件に巻き込まれてるんじゃない?』
「ああ……そうね」
(なるほど、黒羽君絡みだからこんなに焦ってるわけね。全く名前といい黒羽君といい、お互いの事になると大袈裟というか…過保護すぎるというか……)
灰原は名前の言葉を聞いて、名前が焦っている理由を理解して納得したように頷きながら、病院で見た焦った様子の快斗の姿を思い出して小さく苦笑する。
「あなたの考え通りよ。工藤君と黒羽君、珍しく仲良く一緒に推理してたもの」
『……え?』
「私と博士は途中で帰って来たから、今は彼らとは別行動で今の状況は詳しくは知らないけど。ついさっきまでの事情なら、教えてあげるわ」
灰原は意味が分からないというような反応を返す名前に、小さく笑いながら言葉を返す。
「あの2人…今は建築家の森谷教授のご自宅にいると思うわよ」
『森谷教授の?』
不思議そうに灰原の言葉を反復している名前に、灰原は今日の出来事を1から説明していった。