「時計じかけの摩天楼」編
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「あ、名前…そろそろ映画の入場券買いに行こうか?」
時間潰しのために店内を回っていた蘭が、ふと腕時計を見て名前に告げる。
「……あら、もう21時なのね。そうね…そろそろシネマロビーに行こうか」
(さて……新一から何の連絡もないけど、どうしようかしら?)
名前は笑顔で蘭に答えながらも、チラリと携帯を見て困ったように眉を寄せた。
card.558
----ブロロロロ…
名前と蘭がシネマロビーに向かっている頃、コナンや快斗は目暮達と共に森谷邸に向かっていた。
「毛利さん。この先が、ちょうど例の爆弾のタイマーが一時止まったところですよ」
運転席の白鳥はカーブに向かって右に大きくハンドルを切りながら、後部座席に座る小五郎に向かって声をかける。
「ほう……ここが」
小五郎は、チラリと窓の外に流れる景色に目を向けながら呟く。
「児童公園の近くの割には、洒落た街灯だな」
「…え?」
スッと自分の後ろから窓の外を覗き込んだ快斗が呟いた言葉に、コナンが不思議そうに首を傾げる。
「ほら、見ろよ。そこだけ周りと街灯の形が違うじゃねーか」
「街灯?」
コナンは、快斗が指し示した西洋風のガス灯を不思議そうに見つめる。そんなコナンを尻目に、車はぐんぐんと森谷邸に向かって進んで行った。
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---シュッ、フーッ…
森谷邸のリビングには、森谷の吸うパイプの煙りがゆらゆらと立ち込める。そして、大きく煙りを吐き出すとゆるりと口を開く。
「………なるほど、確かに。連続放火事件も、爆弾事件の標的と思われる橋も…私の建築ですね」
目暮から森谷邸を訪れたいきさつを聞いた森谷は、小さく頷きながら眉を寄せる。
「確かに、偶然にしては出来すぎていますな」
「森谷さん…そのような事をする人物について、何か心あたりはありませんか?」
「ああ、そうですね……うーん」
森谷は白鳥の言葉に首を傾げながら、パイプをスッと口に運ぶ。
「…………。」
(ん?この匂い…)
快斗は、そんな森谷を見つめながらふと何かに気付いて、コナンに声をかけようとする。しかし、快斗が室内を見渡すとコナンは、目暮達の目を盗んで、そっとリビングを出ようとしているところだった。
(あいつ…相変わらずちょこまかと。どこ行く気だ?ったく、仕方ねェな)
快斗はそんなコナンの姿に小さくため息をつくと、スッと立ち上がる。
「……すみません、ちょっとお手洗いを」
「ああ……どうぞ。廊下の突き当たりですよ」
「ありがとうございます」
そして森谷達に笑顔でそう声をかけてからリビングから出ると、足早にコナンの後を追った。