「時計じかけの摩天楼」編
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「阿笠博士から話は聞きました!爆弾が仕掛けられている場所は、環状線の"座席の下″でも…"網棚の下″でも"車体の下″でもありません!!」
「…………。」
蝶ネクタイ型変声機を片手に、目暮と電話をしているコナンの姿を、快斗は壁に寄り掛かって腕を組ながら見守る。
(これで爆弾が見つかって一見落着なら良いけどな……それにしても、一体誰がこんな事を…)
成り行きで事件に巻き込まれてしまった快斗ではあるが、これ以上の被害が増えない事を願いつつ、コナンの言葉に耳を傾けていた。
card.556
「それは……"線路の間″です」
『せ…線路の間!?』
「爆弾は、ほんの十何秒か光が当たらないと爆発する仕掛けになっているんです。環状線が、爆弾の上を通過すると全車輪が通過するまで何秒間が光が遮られます。一車輪の長さが、20mとして十車両で200m……時速60キロだと、秒速約16.7メートル……つまり、200メートル走るのに12秒ほどかかります」
「…………なるほどな」
(そのギリギリ爆発しない時間が、時速60キロで通過した場合の時間という事か。だから日暮れ以降は、必然的に光が当たらなくなってアウトってわけか)
快斗は、コナンの話を聞いて爆弾の仕掛けを理解して小さく頷く。
「すぐに電車を他の線に移してください!電車が環状線の線路から離れさえすれば、電車を止めても大丈夫です。……そして爆弾が仕掛けられているのは、日暮れ前の現時点でビルや塀で日陰になっていない場所です。電車の移動作業終了後に太陽の位置を確認し、自分の影で爆弾を覆わないようにして爆弾の捜索を行ってください!」
『わ…分かった!!』
コナンの言葉に、目暮は慌てたように返事をすると電話を切る。
「………ふぅ」
電話を終えたコナンは、小さく息をついて蝶ネクタイをベッド脇に置く。
「これで環状線の方は大丈夫そうね」
(歩美ちゃん達も早く解放されると良いんだけど……)
そんなコナンの隣に立つ灰原が、環状線の列車内にいる3人の友人達を思い浮かべて安堵したように肩の力を抜きながらコナンに声をかける。
「それで新一君、犯人の目星はついてるのかね?」
「ん……ああ、一応な」
「オメー、犯人分かってたのかよ?」
予想外のコナンの言葉に、快斗は目を丸くしながらどこか拍子抜けしたように尋ねる。
「ああ。おそらく…今回の爆破予告の本当の目的は環状線ではなく、あの橋…」
(そう考えれば……あの連続放火事件も、今回の事件も合点がいくしな)
「……橋?」
コナンの言葉に不思議そうに首を傾げる快斗を尻目に、コナンは自分の考えをまとめるかのようにブツブツと呟く。
「とにかく、警部達が戻って来たら…うまく誘導してその人物の元に向かいてーから!オメーらも協力してくれ!」
「?」
「……まぁ、良いけど?」
1人で推理を自己解決してしまったコナンの考えが分からない快斗や灰原は、不思議そうに顔を見合わせながらも小さく頷いた。