「時計じかけの摩天楼」編
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「おい、名探偵。爆弾の設置場所の目星はついてんのか?」
小五郎と目暮が病室を出て行き病室内には、コナンと阿笠、灰原と快斗だけになったため快斗はいつもの口調でコナンに声をかけた。
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「いや…時速60キロ未満で走行した場合に爆発するってのは仕掛けとして理解出来るんだが。日没までに爆弾を取り除かなかった場合も爆発するっていうのか腑に落ちねェ」
「確かにそうだな。列車のライトとかが関係あるってーのはどうだ?」
「なるほど……電車のライトか」
コナンは快斗の言葉に小さく頷きながら、顎に手をあてたいつもの姿勢で考え込む。
「でも……そうなると、ライトと速度に関係した仕掛けが思いつかねェな」
「まぁ、そうだな…。となると、またタイマーか遠隔操作か?」
「…………なぁ、哀君」
真剣に爆弾の設置場所について話し合う快斗とコナンの姿に、阿笠は目を丸くしながらそっと灰原に声をかける。
「何?博士…」
「あの……あれかね?黒羽君は、もしかして新一君の事を…」
「……………。」
(そういえば…博士は、黒羽君の正体も…黒羽君が江戸川君の正体を知ってる事も知らなかったわね)
どこか言いにくそうにしている阿笠を見て、灰原はチラリと快斗に視線を向ける。
「……知ってるみたいよ、彼。」
(とりあえず怪盗キッドの事までは……博士には言わない方が良さそうね)
灰原は少し考えた後に、快斗の正体までには触れず、快斗がコナンの正体を知っているという点のみを阿笠に伝える。
「そうだったんじゃな…」
コナンと快斗が、あまりにも当たり前のように推理している姿を見て不思議そうにしていた阿笠も、灰原の言葉を聞いて納得したように小さく頷く。
「私の正体や組織の事までは、まだ話してないみたいだけどね。工藤君もその辺りをどうするかは、名前に一任しているみたいよ」
「ほぉ、そうか。名前君に…」
阿笠は灰原の話を聞いて、意外そうに快斗とコナンの姿を見つめた。
---バラバラバラ…
『ただ今、16時半を回ったところです!』
そんな時、病室内に設置されたテレビから慌てたようなアナウンサーの声と、取材のために空を飛び交うヘリの音が響く。
『ご覧ください!私たちのすぐ下で、あの東都環状線が…もう30分以上もノンストップ走り続けています!この異常事態に対し、東都鉄道と警視庁はただ"緊急事態が発生したため″というコメントしか発表していません』
「マスコミも嗅ぎ付けたか……まぁ、電車が突然ノンストップで走り始めたんだ。当然と言えば当然だな」
テレビを見つめながら、コナンは小さくため息をつく。
「ああ。このままだと、乗客もパニックになるだろうし…警察が隠し通せるのも、30分程度が限界だろうな。……にしても、一体爆弾はどこにあるんだ?」
快斗は頭をガシガシと掻きながら、小さく息をつくと考えを巡らせるように視線を天井に向ける。
『……こちら、環状線を走行している電車の最新映像です』
「………ん?」
そんな中、コナンはふとテレビに映る映像に目を向ける。そこには、隅田運河の鉄橋の脇を通る線路を駆け抜ける電車が映っている。
「…………。」
(この橋……確か、森谷教授のギャラリーの写真見た橋だな)
コナンは、環状線のすぐ脇に佇む見覚えのある鉄橋を見つめながら考えを巡らせた。