「時計じかけの摩天楼」編
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「何か犯人について思い出した事はないかな?小さな事でも何でも良いんだ…」
「うーん…」
「そうですねェ…」
目暮の言葉に、元太達は腕を組みながら考え込む。
「………匂い」
「えっ!?」
そんな中ふいに歩美がポツリと小声で呟いて、皆が一斉に歩美に視線を向けた。
card.549
「甘い匂いがしたの…光彦君がRC飛行機を渡された時に!」
「そうかぁ?俺は全然気付かなかったぜ?」
「僕もです…」
歩美の言う"匂い″に、その場にいた元太や光彦は気付かなかったようで首を傾げる。
「甘い匂いって…化粧品か何かの匂いか?」
「うーん、分からない。でも…香水とは違うような感じだったよ」
「…………。」
(甘い匂いか……)
コナンは歩美の言葉に、眉を寄せながら考えを巡らせる。
「分かった……また何か思い出した事があったら教えてくれ!」
「「「はーいっ!」」」
目暮の言葉に元気良く頷くと、歩美達3人は高木刑事に促されながら病室を後にして帰って行く。
「…………。」
(さて……俺もそろそろ帰って、名前ちゃんの所に行かねェと…)
快斗は爆発現場に居合わせた1人として事情聴取も受けて、自分の役目は十分に済んだと判断し、光彦達に続いて帰ろうとする。
---ピリピリ…ピリピリ
「んっ…?」
「電話だっ!新一君の携帯じゃ!!」
しかし、そんな快斗を引き止めるかのように病室に着信音が鳴り響く。
「……………。」
(おいおい…まじかよ)
快斗はまたも事件に巻き込まれそうな状況に小さく肩を落とすが、諦めたように大きく息をつくと真剣な表情に戻り動向を見守る。
「コナン…犯人だったら、俺に変わるんだ!」
「うん、分かった」
携帯を手にしたコナンに、真剣な表情で小五郎が告げる。その言葉に、コナンも小さく頷いてから通話ボタンを押す。
「……もしもし?」
『よく爆弾に気付いたな…褒めてやる!だが、もう子供の時間は終わりだ…工藤を出せ!!』
通話相手の変声機で変えられた声を聞いたコナンは、小五郎に視線を向けて小さく頷くと携帯を手渡す。
---ピッ、
「そうだな!ここからは大人の時間だ」
小五郎は携帯をスピーカフォンに切り替えてテーブルに置くと、そう口火を切る。
『むっ…!誰だお前は!?工藤はどうしたっ!?』
「工藤はいない…俺が相手になってやろう!!俺は名探偵…毛利小五郎だっ!」
『………良いだろう』
「!!」
(乗ってきた…!)
しばらくの沈黙の後、ポツリと呟かれた犯人の言葉に快斗は鋭い視線を携帯に向ける。
『一度しか言わないからよく聞け!!東都環状線に5つの爆弾を仕掛けた』
「なっ…!?」
「五つの……爆弾?」
思わぬ犯人の言葉に、快斗だけでなくコナンや目暮達も目を見開く。
『その爆弾は、午後4時を過ぎてから時速60キロ未満で走行した場合爆発する…』
「………。」
犯人の言葉に、灰原はチラリと時計を確認する。
『また…日没までに取り除かなかった場合も爆発する仕掛けになっている。1つだけヒントをやろう…爆弾を仕掛けたのは、東都環状線の××の×だ!×の所には漢字が一文字ずつ入る……それじゃ、頑張ってな。毛利探偵…』
---ツーツー
そう告げると、犯人は一方的に電話を切る。重苦しい雰囲気の病室には、電話を切られた携帯の通話音が虚しく響いていた。