「時計じかけの摩天楼」編
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「とにかく……警察では、今彼等に描いてもらった似顔絵を元に捜査しているところだ」
「似顔絵?」
目暮の言葉に、快斗は不思議そうに首を傾げる。
「ああ……こいつら、爆弾付きRCを渡された時に、直接犯人と接触してるんだよ」
「へぇ…」
コナンの説明に、快斗は納得したように頷く。
「快斗お兄さん、コナン君!これだよ!!見て見て!」
そんな2人に向かって、歩美達は自慢気にニコニコ笑いながら似顔絵を差し出した。
card.548
「……へぇ、どれどれ?」
快斗が3人から似顔絵を受け取ると、コナンはそんな快斗の横から似顔絵を覗き込む。
「良い出来でしょう!?」
「3人で描いたのよ!!」
「「……………。」」
(こ…これは……)
そこには、まさに小学1年生らしい似顔絵が描かれていて、2人は何とも言えないような顔をしてチラリと顔を見合わせる。しかし、嬉しそうに似顔絵を差し出した3人を見て、快斗がニカッと笑って口を開く。
「おー、さすが少年探偵団だな。よく書けてるじゃねェか!」
「そうでしょー?」
快斗の言葉に嬉しそうに微笑む3人。そんな3人の姿に、コナンは優しく微笑む。
「ところで警部さん。今まで新一君が扱った中で、一番世間の注目を集めた事件は何じゃったろうな?」
「うーむ、そうだなぁ。……それは、やはり西多摩市の岡本市長の事件でしょうな」
阿笠の問いに、目暮はしばらく考えた後に1つの事件を思い出す。
「ああ……そういえば、そんな事件もありましたなぁ」
目暮の言葉に、小五郎も事件の事を思い出したようにポツリと呟く。
「哀ちゃん…どんな事件か知ってる?」
"西多摩市の岡本市長の事件″という言葉で、その場にいた小五郎や警察関係者はすぐにどの事件か思い当たるようで、事件の詳細が語られる気配がないため、快斗は灰原に小声で尋ねる。
「西多摩市に住む25歳のOLが、市長の息子の運転する車に撥ねられて死亡したのよ。最初は助手席に市長を乗せておきた、ただの交通事故と思われていたようだけど…工藤君が、その事故に疑問を抱いたのよ」
灰原は快斗と共に部屋の脇に寄ると、周りに聞こえないように小声で事件の詳細を説明する。
「へぇ…」
「……そして、実際に市長と息子を呼び出して…事件を起こした車を使用した実況検分を行ったの。その結果、事件当日に実際に運転していたのは岡本市長の方で、息子は市長としての父親の立場を庇おうとしたために身代わりを買って出たという事が分かったらしいわ」
「…………。」
快斗は黙って灰原の説明に耳を傾ける。
「当然その事件によって岡本市長は失脚……市長が進めていた西多摩市の新しい街作り計画も一からの見直しになったの。ま、その影響で余計に世間から注目を浴びたみたいだけどね」
灰原は、半ば呆れたような口調で肩を竦めながらそう言葉を締めくくる。
「………なるほどね」
(小学生の姿になる前から"高校生探偵″として有名だったのは知ってたが………まさか、一市長の事件まで暴いていたとはな)
快斗はそんな灰原の言葉に納得したように頷きながら、コナンにチラリと視線を向ける。
「……そういえば、岡本市長の息子は電子工学科の学生だったな」
灰原と快斗が会話している中、目暮はふと思いついたように呟く。
「……調べます!」
その言葉に、白鳥は小さく頷くと足早に病室を後にする。
「さて……君達、他に何か思いついた事はないかな?」
そんな白鳥を見送ると、目暮は改めて歩美達に尋ねた。