「時計じかけの摩天楼」編
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---ヴィーン…
「やっぱり、ジィちゃんに原付き借りて正解だったぜ。俺って天才!」
コナンがスケボーで必死にタクシーを追いかけていた頃、快斗は寺井に借りた原付きバイクに乗りながら、鼻歌混じりに米花方面に向かっていた。
card.544
---ガンッ!!
------キキィィッ!
宙に浮いたコナンが、激しい音をたてながら着地したのは、老婆が乗るタクシーの目の前だった。
「だ…大丈夫か、ボウズ!!」
突然目の前に飛び出して来たコナンに、タクシーの運転手は慌てて急ブレーキを踏むと、車から降りてコナンに駆け寄る。
--ダッ!
「え…おい、ボウズ!?」
しかしコナンは、そんな運転手には目も暮れずに運転手の脇を通りすぎると、タクシーの後部座席に乗り込む。
「おばあさんっ!このケース貸してっ!!」
「……へ?」
突然のコナンの行動に目を丸くする老婆であったが、ケースから飛び出た猫を抱き留めて膝に乗せると、言われるがままにケースをコナンに渡す。
--パカッ、
「あと3分っ…!?」
コナンがケースの中を覗き込むと、中には爆弾と共にタイマーに設置されている。そこに表示された残り時間に、コナンは目を見開く。
(くそっ!!こんな住宅地で爆発させるわけにはいかない!どうするっ!?)
--ピッ、ピッ……
「んっ!?」
(と…止まった!?)
コナンが眉を寄せて考えを巡らせていると、刻々と時を刻んでいたタイマーが突然停止する。
(何故だ!?いや、とにかく…今はここから少しでも離れた場所にっ!!確か高速道路の奥は空地だっ!)
「お、おい……ボウズ、身体は大丈夫なのか?」
コナンがケースを抱えて再びスケボーで走りだそうとするのを見て、タクシーの運転手は慌てて声をかける。
---ギュィィィーン!!
しかしコナンは、そんな運転手を無視して再び猛スピードで走り出す。
「…何なんだ?」
そんなコナンの後ろ姿を、運転手は目を丸くしながら見送った。
---ギュィィィーン!!
「よし、このペースなら間に合う……」
---ピッ、ピッ…
「なっ!?う、動き出した!?」
スケボーで走り出して少しした頃、コナンが小さく安堵の息をつきかけたのを嘲笑うかのように、停止していたタイマーは再び動き出す。
「……くそっ!!」
(この道じゃ間に合わねぇっ!!)
---グンッ!
コナンは残された時間と空地までの道のりを考えて、近道をしようと勢いよく進路を変える。
---キキィィッ!
「うおっ…!?」
「あっぶねェ!!」
しかし道を曲がろうとした所で、出会い頭に何かにぶつかりそうになったコナンは、慌てて衝突を避けようと身体を逸らした。