「時計じかけの摩天楼」編
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---米花駅
「……1時10分前か!」
スケボーを飛ばして駅前にたどり着いたコナンは、駅正面に設置された時計を見てポツリと呟く。
---ダダダ!
「………くそっ!」
(駄目だっ……時間もねーのに、これじゃキリがねぇ!)
コナンは駅前を走りながら辺りを見渡すが、多くの人々が行き交う駅前で、姿形も特定出来ていない爆発物を探すのは困難だった。
card.543
「いらっしゃいませ!」
コナンは駅前の2階建ての飲食店に駆け込むと、レジでにこやかに挨拶する店員の前を素通りして2階に駆け上がる。
「………。」
(木の下って、どういう意味なんだ!?誰かに持って行かれるって一体…?)
そして駅前一帯が見渡せる窓から、ジッと駅前の様子を見下ろして考えを巡らせる。
「………んっ?」
キョロキョロと視線をさ迷わせていると、ふと1人の人物がコナンの視線にとまる。そこでは優しそうな1人の老婆が、ベンチの前にしゃがみ込んでベンチの下から何かを取り出している。
「あれは……?」
コナンが眉を寄せてその老婆を行動を見つめると、老婆はベンチの下からピンク色のケースを引っ張り出している。ケースの中には可愛らしい猫が入っていて、老婆は猫を満面の笑みで一撫ですると、ピンクのケースごと抱えてタクシー乗り場に向かっていく。
「捨て猫か?わざわざ、あんなケースに入れて?」
コナンは一連の老婆の行動を見て、眉を寄せながら考えを巡らせる。
(木の下……木…木の下の根っこ、根っこ………猫!?)
そして先程のヒントの意味を理解したコナンは、目を見開くと慌てて店を飛び出して行く。
「よいしょ……お願いします」
---ブロロロロ…
「お…おばあさん、待って!!」
コナンの目と鼻の先でケースを持った老婆はタクシーに乗り込むと、コナンの制止も間に合わず、タクシーは老婆とケースを乗せて走り去っていく。
「くそっ!!しまったっ!!1時5分前かっ!」
---キュィィィーン!!
コナンは刻々と迫る爆発予告時刻を気にしながらも、最大出力でスケボーを飛ばしてタクシーの後を追う。
---キュィィィーン!
「くそっ、このままじゃ爆発までに追いつかねぇ!!」
コナンは視線の先のタクシーと時計を交互に見比べながら、小さく舌打ちする。
(そういえば…確か、この道路は左へ大きくカーブしてたなっ!)
--グンッ、ゴォォ!!
そして何かを思いついたコナンは、無理矢理左の路地に滑り込むと、スピードを更に上げて猛スピードで狭い路地を駆け抜けていく。
そして行き止まりになっている柵を超えると、縁石をジャンプ台変わりにしてぶわりと宙に浮いて、一段下にある道路に向かって飛び出した。