「時計じかけの摩天楼」編
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--ゴォォォォォ!!
「オレンジ色の閃光…!?」
(やはりプラスチック爆弾か…)
辺りに爆風による灰色の砂埃が立ち込める中、コナンは険しい表情でラジコンが爆発した上空を見上げる。
---ピリピリピリ…
そんな時、コナンのポケットの中で携帯の着信音が鳴り響く。
「どういうつもりだっ!?」
コナンは、携帯を取り出すと開口一番で怒鳴り付ける。
『工藤新一はどうした?』
「!!」
(しまったっ…!)
しかし犯人の言葉に、コナンは変声機を使わずに電話に出てしまった事に息をのむ。
『……そうか、俺の相手はお前のようなガキで十分という事だな?』
「………え?」
(……お前のような?俺をどこかで見ているのか!?)
コナンは眉を寄せて辺りを見渡すが、電話の相手を視界に捉える事は出来ない。
『いいか?よく聞け!!1時ちょうどにもう1つの爆弾が爆発する』
そんな中、犯人は更に言葉を続けていく。
『場所は米花駅前広場だっ!工藤が来ないというのなら、お前が見つけるんだな!!』
「ま……待って!」
『何だ?』
爆発予告だけ告げて通話を終わらせようとする犯人に、コナンは慌てて声をかける。
「僕、子供だから分からないよ!何かヒント教えて!!」
『…………。』
「もしもし…?」
コナンは、わざと子供らしい口調でそう尋ねる。
『……木の下だ、ただし木の下に埋めてあるわけじゃない。早く行かないと誰かに持って行かれちまうかもしれないぞ!』
「…えっ!?」
---ブッ、ツーツー
「くそっ!!」
コナンが聞き返す間もなく、通話は一方的に切られる。コナンは小さく舌打ちすると、再びスケボーを片手に駆け出していく。
「おい…コナンっ!?」
「どこ行くのー?」
元太達は、そんなコナンの後ろ姿を不思議そうに首を傾げながら見送った。
card.542
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「今日が例の映画の日か…」
快斗は、カレンダーを見ながら小さくため息をつく。
「くそっ…そもそも、あの野郎が蘭ちゃんに中途半端に思わせぶりな態度ばっかりとってるから!俺と名前ちゃんがこんな事に……」
快斗は、半ば八つ当たりのような事を呟きながらため息をつく。
(明日で連休も終わりだしな…そろそろどうにかしねーと)
快斗はしばらくカレンダーを見つめた後に、何かを決意したのか勢いよく立ち上がる。
「名前ちゃん家、行ってみっか!」
(とりあえず、連絡しないで行くか。ないと思うけど、断られたら辛いし。直接行けば、さすがに部屋には入れてくれるだろ)
快斗は、名前と仲直りする事で頭がいっぱいで、今日名前が部屋にいない可能性がある事は考えずに、財布をポケットに捩込みながら部屋を出る。
「………あー、そういやこの間名前ちゃん、米花駅前の新しいケーキ屋のケーキが食べてみたいって言ってたな」
(お詫びに、いくつか買ってくかな。名前ちゃん甘い物好きだし……。甘い物食ってる時の名前ちゃん可愛いんだよなー)
快斗は、こんな状況ながらもスイーツを嬉しそうに食べている名前を思い出して、僅かに頬を緩める。
(……にしても、米花駅まで割と遠いからなぁ。どうやって行くかな…)
快斗は玄関で靴を履きながら、様々な考えをぐるぐると巡らせていた。