「時計じかけの摩天楼」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『クックック…どうやらニュースを見たようだな』
コナンが無言になったためか、電話先の相手は小さく笑いながら呟く。
『その東洋火薬から爆薬を盗んだのは、この俺だっ!!』
「な…何っ!?」
電話口から聞こえた思わぬ言葉に、コナンは思わず目を見開いた。
card.540
「「……………。」」
珍しく動揺したようなコナンの反応に、阿笠と灰原は何事かと眉を寄せて顔を見合わせる。そして、コナンの隣に座り電話に耳を寄せて、コナンと電話先の相手の会話に耳を傾ける。
『まずは、お前の携帯電話の番号を教えてもらおうか』
電話口の相手は、まさかコナン以外の人間が聞き耳をたてているとは思わずに言葉を続ける。
「お前のようなヤツに教える義務はない!!」
『ほう……俺からの唯一の連絡手段を断ち切っても良いのかな?』
「!?」
コナンは、男の思わせぶりで意味深な言葉に眉を寄せて、隣で会話を聞いていた灰原に視線を向ける。
「…………。」
灰原は、コナンの目を真っ直ぐ見つめ返しながら小さく頷く。
「……分かった。番号は、」
コナン小さく息を吐いた後に、自分の携帯の番号を相手に伝える。
『ふっ……よし、今すぐ携帯電話を持って堤向津川の緑地公園に来い!面白いものを見せてやる』
「……緑地公園?」
『早くしないと子供達が死ぬぞ!!』
「な…何っ!?ちょっと…」
---ブッ、ツーツー…
洒落にならない台詞に、コナンは慌てて聞き返そうとするが、一方的に電話は切られる。
「電話、切られたの?」
「ああっ…!」
灰原の問いに苦々し気に頷きながら、コナンは勢い良く立ち上がる。
「新一…どうする気じゃ?」
「何が目的かは知らねェが、とにかく行ってくる!!変声機まで使ってるんだ!悪戯とは思えねぇ!」
コナンはスケボーに手を伸ばしながらそう返すと、灰原に視線を向ける。
「今、俺の携帯の番号を教えたが…ここに連絡が来る可能性もゼロじゃねェ。それに、調べてもらいたい事があったら連絡すっから、灰原…オメーはここにいてくれ」
「分かったわ。それから目暮警部に連絡、でしょ?」
「ああ…任せたぜ!」
全てを伝えなくても、自分のサポートを淡々とこなす灰原に、コナンは満足気に笑って小さく頷く。そして、携帯を手に持つとスケボーを抱えて飛び出していく。
「うーむ、何事もないと良いんじゃが……」
阿笠は、そんなコナンの背中を心配そうに見送った。