「時計じかけの摩天楼」編
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「え、ラッキーカラー?」
買い物を終え、米花シティビルの中にある喫茶店でお茶を飲む名前達。
「そうなの!今月は、私も新一も赤がラッキーカラーなの!」
「だから、さっきのプレゼントも赤いポロシャツだったのね」
嬉しそうに話す蘭の話を聞いて、名前は納得したように頷いた。
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「ほうほう……そう言えば、私達も新一君とは随分会ってないわね?」
「確かにそうね…」
(……私は、割としょっちゅう会ってるけど)
園子に話を振られた名前は、コナンの姿を思い浮かべて内心苦笑しながらも、話を合わせて園子の言葉に頷く。
「私も一緒に行こうかなぁ」
「……えっ!?」
蘭をチラリと見ながら園子が呟いた言葉に、蘭は僅かに目を丸くする。
「あ……でも、観るのはつまんない映画だし……それに、ホラ…あいつもつまんない奴だし…」
「……………。」
(蘭……新一と2人きりが良いからって、つまんない奴って言ったら……新一が可哀相なんじゃ…)
名前は、しどろもどろになって話す蘭の言葉に小さく苦笑する。
「ハハハ…冗談よ、冗談!誰も2人の邪魔なんかしないって!それに私、明日は予定があるもの」
蘭の反応を見て、園子は楽しそうに笑いながら手をヒラヒラと振る。
「蘭ったら…すぐ本気になるんだもの。だから毎回園子にからかわれるのよね…」
「だってぇ…」
クスクス笑う名前の言葉に、蘭は恥ずかしそうに頬を染めた後に、僅かに眉を寄せて口を開く。
「でも……園子、明日は用事があったのね」
「そうだけど?」
「何かあるの?」
そんな蘭の姿に、名前と園子は不思議そうに首を傾げる。
「………何だか新一に会うの久しぶりだから緊張しちゃって。ほら…あいつ約束通りの時間に来るかも分からないじゃい?だから、ちょっと心細いなぁ…なんて」
「………蘭」
「それで本当は…明日も名前と園子に夜まで付き合ってほしいなぁ…なんて、ちょっと思ってたんだ」
蘭はどこか気まずそうに、前髪に触れながら告げる。
「……確かに、約束の時間に新一君が来るまで1人で待つんじゃ心細いか。でも明日の予定は、ちょっとパパの会社の関係だからズラせないのよね…」
「あら、私1人でも良ければ付き合うわよ?」
ため息をつく園子の横で、名前は首を傾げながら蘭に告げる。
「え……でも、私の都合で新一が来るまで付き合ってもらうのに……新一が来た途端に、名前1人だけで帰るんじゃ名前に悪いよ」
「ああ……それで園子と私の2人だったのね」
慌てたように首を振る蘭の言葉に、名前は納得したように微笑む。
「大丈夫よ。このビルから駅も近いし、帰るのそんなに大変じゃないから付き合うわ」
(第一、未だに断ってない新一に何か考えがあるのか良い策があるのか知らないけど……明日、新一が来れなかった時に落ち込んでる蘭を1人にさせるわけにもいかないわ)
名前は約束の前日になっても、未だに何の連絡もない小さな幼なじみに内心呆れながらも、蘭に向かって優しく微笑んだ。