「時計じかけの摩天楼」編
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「うん…これに決めた!!」
米花シティビルに移動した名前達は、雑貨や小物など誕生日プレゼントに良さそうな物を見て周ったが、蘭は最終的に赤いポロシャツを手に満足気に頷く。
「へー、鮮やかな赤ね」
「おーおー、派手な事!!」
園子と名前は、蘭が手にした真っ赤なポロシャツの色を見て僅かに目を見開いた。
card.533
---ドサッ…
「………連絡こねェ」
名前達が新一への誕生日プレゼントを選んでいた頃、快斗はここ数日間いくら睨みつけてもピクリとも反応を示さない携帯を放り投げて、ベッドに倒れ込む。
「そもそも、連絡待ってる俺が悪ぃのか?」
(名前ちゃん優しいから、何だかんだ言っても名前ちゃんの方から連絡くれると思ったんだけど。そんなに怒ってんのかな?)
快斗は何度目かわからないため息をついた後に、ゴロンとベッドの上で寝返りをうつ。
--……帰って--
--………悪いけど……私、今…快斗と話したくない。顔も見たくないの--
「あ゙ーっ!!」
ふいに名前の言葉が脳裏に蘇ってきて、快斗は頭を掻きむしりながら声をあげる。そして、自分がつい数分前に放り投げた携帯に手を伸ばすと「名字名前」と表示された発信画面をジッと見つめる。
(電話かけてみっかなぁ……)
快斗はゆっくりと発信ボタンに手を伸ばすが、僅かに視線をさ迷わせてその手を止める。そして、再び発信ボタンに手を伸ばしかけて、また視線をさ迷わせる…といった行動を数回繰り返した後に、盛大なため息とともに携帯を放り投げる。
「俺……名前ちゃんに嫌われたら生きていけない」
(いつも当たり前みたいに傍にいたから意識してなかったけど、こんなに名前ちゃんの存在がでかくなってたのか…)
快斗は中々連絡する踏ん切りのつかない状況に苛立ち気に頭を掻きながらも、絶望的にポツリとそう呟く。
--まぁ、思い浮かぶ相談相手がいるなら…その相手に相談するんだな--
「……………。」
(相談云々の前に、名前ちゃんに連絡するのが一番早い気がすっけど…)
快斗は、ドサッとベッドに寝転んで天井を見つめながら中村の言葉を思い出す。
「だけど、連絡しても謝ったあとに何言えば良いか分からねェしなぁ……」
(駄目元で…相談しに行ってみっかな)
快斗は、諦めにも似た小さな呟きと共にむくりと起き上がった。