「時計じかけの摩天楼」編
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「えーっ!?名前ちゃんの幼なじみと、手を繋いでデートする!?」
「…………。」
(青子声が大きい……)
「名前ちゃんに向かってそんな事言ったの!?あのバ快斗!」
青子は、わざとらしいほどの大きなため息と共に頭を抱える。快斗が中村と話していた頃、一緒に下校していた名前と青子も2人の喧嘩の内容について話していた。
card.530
「名前ちゃん…それを学校で言ってくれてたら、青子が快斗の事コテンパンにしてたのに…」
「いや……簡単に言うと"それ″が喧嘩の原因なんだけど、そこに至るまでには…いろいろ事情があってね……」
(何だか、快斗の言った言葉だけ話すと快斗が凄く悪者みたいになっちゃうわね……)
名前は、プリプリと怒る青子の姿に慌てて弁解する。
「そうなの?」
「うん……だから、話の流れで快斗が冗談で言っただけなのは、私も分かってるんだけどね」
名前は、快斗をフォローするように簡単に青子に説明する。いくら喧嘩中とは言え、快斗を悪者にしたてあげるほど怒っているわけでもなく、快斗の言葉が冗談なのも分かっているのだ。
「そっかー。でも冗談とは言え、それは嫌な気持ちになるよ。それなのに快斗を庇ったりして……名前ちゃんは優しいんだね」
「……そんな事ないわ」
青子の言葉に苦笑して言葉を返しながら、名前は快斗の言葉を思い出す。改めて考えてみればただの冗談とは思えても、あの時は快斗の言葉を笑って流す事は名前には出来なかったのだ。
「……………。」
(だいたい……キッドとして変装する時は、本気で変装相手に成り切るんだもん。変装中の行動なんて、快斗にとっては深い意味がないのかもしれないけど……)
「……名前ちゃん?」
名前が小さくため息をつきながらぼんやりと思いを巡らしていると、青子が心配そうに覗き込んで来る。
「あ、ごめんね……ちょっと考え事しちゃった…」
名前は慌てて青子に視線を戻すと、微笑んで言葉を返す。
「そう?何か手伝える事があったら青子に言ってね」
「ええ…ありがとう」
「でも良いのか悪いのか…明日から連休に入るもんね。学校があれば嫌でも顔合わせるから、仲直りも自然に出来ちゃいそうだけど……学校お休みだと微妙だよね」
(今日なんて学校があったのに、名前ちゃんと快斗…一言も会話してなかったもんなぁ……。あんな様子だと、連休中もお互い意地張って会わなかったりして……)
青子が学校での2人の様子を思い返しながら、ため息混じりにポツリと呟く。
「確かにそうね……」
(今の状況だと…昨日チラッと話に出た、映画を見に行くって話も白紙に戻りそうだし)
名前は、青子の言葉に同意するように小さく頷く。
「連休中にうまく快斗と会えると良いね」
「そうね。様子を見てちゃんと連絡してみるわ」
名前も小さく苦笑いしながら、肩を竦める。
(…と言っても、2日は蘭と園子に買い物に誘われてるし…3日は問題の蘭と新一の約束の日だし…うまく快斗に会う時間がとれるかしら)
名前は、青子と言葉を交わしながらも頭の中で連休中の予定を思い返していた。