「時計じかけの摩天楼」編
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「快斗、明日は学校だけど今日も泊まって行くの?」
(だいたい快斗が泊まって行くのは、週末が多いけど…。)
買い物を終え、名前の部屋へ帰って来た名前と快斗。名前は食べ終えた夕食の食器を洗いながら、リビングでくつろいで帰る気配を見せない快斗に尋ねる。
「んー、泊まりたいところだけど……いろいろ買ったもんオメーの家に置いて行くのも悪ぃから、今日は帰るよ」
快斗は少し考えるように視線をさ迷わせた後に、泊まらずに帰るのが嫌なのか小さくため息をつきながら名前に言葉を返した。
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「あら、荷物くらい置いて行っても良いのに。まぁ……明日学校だもんね」
「さっきから思ってたけど……明日も学校あるんだっけ?」
食器洗いを終えてリビングに戻って来た名前に、快斗は首を傾げて尋ねる。
「ええ…明日も半日だけどね」
「今日、青子達が明日から連休みたいな口ぶりだったから…休みだと思ってたんだけど」
快斗は昼間の青子や林達の会話を思い出して、不思議そうに眉を寄せる。
「ああ、授業は今日までだからじゃないかしら?明日は、ホームルームで連休中のお知らせだけって言ってたわよ、確か。実際には明後日から連休だしね」
「めんどくせーなあ。今日やれば良いじゃねーかよ、そんなの。帝丹高校はもう休みなんだろ?」
快斗は、呆れたようにため息をついて肩を落とす。
「確かにそうね。カリキュラムとかの関係かしら?」
「……まぁ、今日の午後は買い物も行けたから良かったけどな」
「ふふ。久しぶりに米花シティビルに行ったけど、いろいろあって楽しかったわよね」
「ああ、そういえば俺も久しぶりに行ったけど…あそこ映画館もあるし、連休中何か見に行かねーか?」
(名前ちゃんと、映画デートとかした事ねーし)
「あら、良いわね!」
快斗の提案に、名前も珍しくパッと笑顔になる。
「よしっ!今、何がやってるのか見てみっからよ!二人で決めようぜ!」
名前の反応に気をよくした快斗は、急にウキウキしたように携帯を操作して、米花シネマのホームページにアクセスする。
「んー、今1番人気なのは"赤い糸の伝説″ってやつみてーだな。後は……"アナと星の王子様″、"MONSTER″……」
「ふーん…快斗は、何か気になるのある?MONSTERってホラーよね…それ以外なら、私はどれも見てみたいけど」
(赤い糸の伝説とか……面白そうだけど、ベタベタのラブストーリーだと快斗が嫌よね…きっと)
名前は、快斗の携帯を覗き込みながら快斗に尋ねる。
「名前ちゃんと観るなら、ラブストーリーが良いんじゃねーか?」
「あら、快斗はラブストーリーなんて嫌じゃない?」
名前の考えとは正反対の言葉に、名前は意外そうに首を傾げる。
「別に嫌じゃねーよ。ホラーはなしとして、そうなると…アニメか恋愛ものが無難だしな。それに俺、赤い糸って……」
---ピリピリピリ…
快斗が何かを言いかけたところで、ふいに名前の携帯の着信音がそれを遮る。
「最近なかったけど、こういうの多いわね」
名前は、今までも何度か快斗との会話を携帯の着信で遮られている事を思い出しながら、小さくため息をつく。
「まぁ、良いけどな。……出ろよ?」
「ちょっとごめんね。あら…新一だわ。何かしら?」
名前は快斗に軽く断ってから、自分の携帯に手を伸ばす。
「…………。」
(また名探偵かよ。また変な事件の話じゃねーと良いけど)
快斗は電話に出る名前を見ながら、名前の小さな幼なじみの姿を思い出して苦笑した。