「時計じかけの摩天楼」編
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---4月29日(火曜日)
江古田校:12時半
---キーンコーンカーンコーン
「やーっ、学校が昼までで終わるって最高だな!」
授業を終えるチャイムが鳴り響くと同時に、桜井が伸びをしながら笑顔で立ち上がる。
「えー?うちは今日まで授業だったけど、他の学校は今日から連休のところもあるみたいだよ」
そんな桜井の言葉に、青子は不満気に呟きながらため息をついた。
card.515
「ああ、そうみたいね。私の幼なじみの高校も今日は休みって言ってたわ」
(確か今日だったものね…蘭達がガーデンパーティー行くのも)
名前は、青子の言葉にふと思い出したように告げる。
「へぇ。うちも、午前中だけ授業やるくらいなら休みにしちまえば良いのにな」
林は、ため息をつきながら授業で使った教科書を鞄にしまう。
「名前ちゃんは、今日は普通に帰るの?」
「ううん。確か今日は、快斗が学校の後に買い物があるから付き合ってって言ってた気がしたんだけど………快斗!」
「んー、どうした?」
名前は青子に返事を返しながらくるりと振り返り、教室の後方にあるロッカーにいる快斗に声をかける。
「今日何か買い物があるのよね?1回帰ってから出かけるの?」
「いや…せっかく早く学校終わったし、そのまま行っちまおうぜ!」
快斗は、鞄を手に名前の元へ近付いて来ながら答える。
「分かったわ。青子……もしかして何か用事があった?」
名前は、放課後の事を尋ねてきた青子に心配気に尋ねる。
「ううん。青子も今日はお父さんが久しぶりに休みだから、夕ごはん外で食べる約束してるの!」
青子は、いそいそと荷物をまとめながら嬉しそうに答える。
「あら…中森警部がお休みなんて珍しいわね」
(なんか……あの中森警部が家でくつろいでる姿が全然イメージ出来ないわ)
嬉しそうな青子の姿に、名前も思わず頬を緩ませながら言葉を返す。
「うん!珍しいんだけど、何日か連休みたいだから。あの怪盗が現れなければ、だけどね」
「……そっか」
不安そうに言葉の後半がみるみる小声になっていく青子の様子に、名前はどうしようかと少し視線をさ迷わせた後に、戸惑いながら口を開く。
「でも、今の時点で予告状が出てないなら…何日間は大丈夫なんじゃないかしら?」
(快斗も…何にも言ってなかったし)
「…そうかなあ?」
名前の言葉に、青子は少し期待したような表情になりながら小さく首を傾げる。
「うん、そうよ!……ね、快斗?」
「えっ!?……んー、まぁそうだろうな、多分」
(おいおい……このタイミングで、俺に振るかね…名前ちゃん)
快斗は、怪盗キッドの話題を自分に振って来る名前に苦笑しながら、青子にそう言葉を返した。
(まぁ……確かに、当分は獲物の情報もねーから仕事の予定もないけどな)