「時計じかけの摩天楼」編
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「えっ…ガーデンパーティー?私達が新一の変わりに?」
リビングでTVを見ていた小五郎は、電話口で話す蘭の声が聞こえてチラリと視線を向ける。
『ああ……俺は、今関わっている事件の調査でどうしても行けなくてさ』
阿笠邸を後にしたコナンは、探偵事務所に帰宅する前に新一の声で蘭に電話をかけていた。
card.514
『招待状には同伴者歓迎って書いてあるし、蘭と蘭のお父さんと…オメーん家で預かってる小学生と3人で行ってきてくれよ!招待状は、もうオメーん家のポストに入れてあっから』
「え、家のポストに?もうっ!たまに電話かけて来たかと思ったら、本当に勝手なんだからっ!」
(わざわざポストまで持って来たなら、久しぶりなんだし1度くらい顔出しなさいよね……)
蘭は、電話口で新一に向かって眉を寄せて文句を言う。
『わ……悪ぃ、悪ぃ。時間なかったんだよ』
「…………。」
しかし耳元で聞こえる申し訳なさそうな新一の声に、蘭はそれ以上の文句を言う事も出来ずに、小さくため息をつくと気を取り直して口を開く。
「……いいわ!その変わり、条件がある!」
『じょ…条件?』
(また変な事言い出すんじゃねェだろーな)
コナンは、先程と変わって突然明るい声を出す蘭の言葉に僅かに眉を寄せて身構える。
「来週、私とオールナイトの映画付き合って!」
『ええーっ!?』
(映画なんて無理に決まってんじゃねーか!)
「いーじゃない、久しぶりなんだから!3日の午後10時に米花シネマロビーで待ち合わせよ!」
蘭の突然の提案に戸惑う新一を尻目に、蘭はどんどん話を進めていく。
『ちょ…ちょっと待てよ!来週の土曜日はまずいんだ……もっと先なら』
「駄目ッ!絶対5月3日じゃなきゃ駄目なのっ!!」
『えっ……』
何とか断ろうとするコナンだったが、蘭は断固として譲る気配を見せない。
「じゃあ、分かったわね?新一!3日の夜10時だから忘れないでよ!」
『お…おい、蘭……待てよ……』
---ブッ
--------ツーツーツー…
「ハハハ、切りやがった……」
コナンはむなしく響く通話音に肩を落としながら、携帯の電源を押してポケットにしまう。
「………どーすっかなぁ」
(だいたい、何であいつあんなに5月3日にこだわってんだ?何かあんのか…5月3日…)
毛利探偵事務所のすぐ近くの公園で電話をかけていたコナンは、首を傾げながらも探偵事務所に向かって足を進める。
「仕方ねー。事務所に戻ったらうまく蘭から聞き出すか。とにかく約束の日までに、どうにかして断らねーとまずいな」
コナンは、視線の先に見える事務所を一瞥すると小さくため息をつきながら呟いた。