「時計じかけの摩天楼」編
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---コポコポ…
名前の部屋のキッチンからは、カチャカチャと食器が触れ合う音と共に珈琲の香りが立ち込めてくる。
「………え?ああ、そういえばそろそろね」
---カチャカチャ…
「ふふ……確か去年はそうだったわね。……え、うん。……あー、そうね……今年はどうするの?」
そんな香りと共に、所々聞こえてくる名前の声と楽しそうな笑い声。リビングのソファに座る快斗は、チラリとキッチンに視線を向けた。
card.509
*時計じかけの摩天楼編
「え……黒川さん?ああ、あの大きな病院の……そう。おじさんが呼ばれたのね……ああ、コナン君も一緒に?」
名前はそんな快斗の視線には気が付かずに、電話を片手に珈琲をマグカップに注いでいる。
「ええ……分かったわ、気をつけてね。……うん、またね」
---ピッ
会話を終えた名前は、通話を切った携帯をテーブルに置くと、珈琲の入ったマグカップを片手にリビングに向かう。
「ごめんね…快斗。いろいろ話してたら遅くなっちゃった」
名前は快斗の前にマグカップを置きながら、ソファに座っている快斗に声をかける。
「いや……ありがとな」
快斗はお礼を言いながら名前が煎れた珈琲に一口口をつけると、更に言葉を続ける。
「電話…蘭ちゃん?」
「ええ、明日おじさんと新一と黒川病院の院長のご自宅に行くらしいわ」
名前は、そう返しながら快斗の隣に腰を降ろす。
「ふぅん?そんな話題の割には、何か楽しそうに話してたじゃん」
「ああ……最初の話題は、新一の誕生日についてだったから」
「誕生日?」
「ええ、新一……来週の…えーと、土曜日ね。…ほら、この日が誕生日なのよ」
名前は、そう言いながら卓上カレンダーを快斗に見せる。
「へぇ……」
「それでプレゼントの相談の電話だったのよ」
「……相変わらず、蘭ちゃん一途だな」
快斗は、姿を見せない新一の誕生日プレゼントを考える蘭に感心したように呟く。
「ふふ。私は今年どうしようかしら」
名前は、そんな快斗の言葉に小さく笑いながらポツリと呟く。
「…え?」
「去年は、サッカーの試合前だったし…私、まだ関西にいたから郵送出来るタオルにしたのよね」
「…………。」
「今は姿は小学生だから、あんまり小学生らしくない物を持たせるわけにもいかないし。何かちょうど良いのがあると良いんだけど」
「……なぁ、名前ちゃん」
「ん?」
新一へのプレゼントについて、ぼんやり考えを巡らせていた名前は、快斗に名前を呼ばれて視線を快斗に向ける。
「名前ちゃん……毎年、名探偵にプレゼントあげてんの?」
そんな名前に、快斗はどこかつまらなそうに尋ねた。