「探偵甲子園」編
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---ドッドッドッ!
「あ、いたよー!服部君にコナン君も!」
平次達が船のエンジン音に気付いていた頃、その船の甲板では蘭が双眼鏡で無人島の様子を確認していた。
「……ホンマ!?名前ちゃんと黒羽君達もおるん?」
「うん!名前と黒羽君もいるよ!」
「良かったぁー!!」
和葉は、蘭の言葉を聞いてパッと笑顔になり安心したように息をつく。
「……ったく、素直に吐いてりゃ一本背負い5本も喰らわずに済んだのによ!」
そんな2人の後ろで、小五郎はため息混じりに船の船長に目を向ける。
「す……すみません」
平次の帽子がくくりつけられていた船の船長は、契約金欲しさになかなか口を割らなかったために、小五郎に一本背負いを浴びせられ傷だらけになっていた。
card.504
「……雨、上がったわね」
「ああ」
名前と快斗は、無人島の桟橋に向かいながら僅かに星が瞬く夜空を見上げる。
「ホンマ…助けが来てくれて良かったわ」
「ああ……オメーの帽子に、遠山さんが気付いてくれて良かったぜ」
並んで歩くコナンと平次の視線の先の桟橋では、ロッジから真っ先に駆け出して行った槌尾が必死に船に向かって手を振っている。そんな姿を見ながら、高校生探偵達は相変わらず焦る素振りもなくゆっくりと桟橋に向かっている。
「…いたんだね、君達みたいな探偵」
「あん…?」
そんな平次の横に、スッと七槻が並んで徐に声をかける。
「ドアノブに血をつければ扉をブチ破り……2階の窓越しに死体を置けば、窓に飛び移りガラスを割って突入する熱血探偵。おかげで死体を窓に寄り掛かる羽目になったわ。体当たりで窓を破られて、窓ごと外れたりしたらアウトだったから」
「フン…悪かったのォ、血の気が多くて…」
そんな七槻の言葉に、平次はため息混じりに言葉を返す。
「「「…………。」」」
七槻と平次のすぐ側を歩いている名前と快斗、平次の足元にいるコナンも会話をやめて、何となく2人の会話に耳を傾けている。
「………ううん、それが正解。死を確信するまで、生を信じ抜く事が名探偵の名探偵たる所以だもの。あなた達は、みんなそうだったみたいだけど」
七槻は小さく微笑んでそう言いながら、名前達の顔を見渡す。
「………七槻さん」
名前は、そんな七槻の切な気な表情に僅かに眉を寄せる。
「………ふふ、神様が許してくれるのなら…君達と本当に探偵甲子園やりたかったわ。自分の事を、"ボク″と言っていた高校生のあの頃に戻って…」
「「「………………。」」」
空を見上げてポツリと呟く七槻の横顔を、名前や平次達は何と声をかけて良いかも分からずにただジッと見つめていた。