「探偵甲子園」編
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「なぁ、お前確か俺らより半日前にここに来たって言うてたな?場所調べて自分トコのクルーザーか何かで来たんちゃうんか?」
(こいつ金持ちそうやし…)
平次は、ふと思い出したように白馬に尋ねる。
「いや……僕は予定より速く港に着いてしまったんでね。最近どこかの無人島に食料や布団や燃料を大量に運んだ船はないかと聞いて回り……その船の船長に、この島まで乗せて行ってくれと頼んだんです。それなりの報酬で……しばらく使っていないロッジに多人数が寝泊まりすると聞いていましたからね……」
card.503
「あら……という事は、白馬君がこの島に来てる事は誰も知らないのね?」
「ええ……残念ながら」
名前の問いに、白馬は小さく肩をすくめながらため息混じりに言葉を返す。
「まいったなぁ……」
「君こそ誰かに伝えてないんですか?」
白馬の返事に困ったように頭を掻く平次に、白馬は尋ねる。
「いや……まぁ、一応ここに来る前に……伝えたんは伝えたんやけど……」
(アイツ……とろいしのォ)
平次はどこか答えにくそうにそう返しながら、和葉の姿を思い浮かべる。
「……そういえば、」
「どうした?」
白馬と平次の会話を聞いていた名前が、平次の言葉を聞いてふと思い出したように小さな声で呟く。
「…平次、確かに伝えてたわね。船に乗る時に…和葉ちゃんに」
「え…?」
(色黒探偵……あの時、なんか特別な事あの子に言ってたか?)
快斗は名前の言葉を聞いても特に心当たりがないため、不思議そうに首を傾げる。
---ドッドッドッ!!
「音……?」
「何だ……この音?」
そんな名前達の会話を遮るように、突然ロッジに鈍い音が響きはじめる。
「まさか、発電機まで壊れたんじゃ…」
「いや……これは発電機の音じゃないよ」
焦ったように呟く槌尾の言葉を、コナンが冷静な表情で否定する。
---ドッ、ドッドッ…
「ほ、ほんならこの音は?」
--ドッドッドッ!!
「平次ィーっ!!!」
「…この声!」
「か、和葉や!!和葉が船連れて来よった!」
鈍い音に紛れて僅かに聞こえてきた声に、平次が窓の外に目を向ける。そこには、無人島に向かって来る一隻の船のライトが見える。
「ど……どうして?」
助けが来るわけないと思っていた七槻は、その船を見て目を丸くする。
「ここに来る前に、平次兄ちゃんが僕達を乗せた船に目印をくくりつけてきたんだよ!」
そんな七槻の足元で、コナンが口を開く。
「メッセージと共に……」
--おう、残したるわ!服部平次ここに在りってのォ!!--
「……自分の帽子をね!」
そして船に乗る時の平次の言葉を思い返しながら、いつもの笑みを浮かべてそう告げた。