「探偵甲子園」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ええ。今回の計画のために、全国の高校生探偵についていろいろ調べたもの」
「そうですか…」
「転校してるのは、関西で事件を解決したニュースを見てすぐ分かったし……名前さんと服部君が高校生探偵同士で仲良くて、関西では有名だったみたいだから。それに、あなたのご両親も割とその筋じゃ有名だから調べたら……」
card.501
「………っ、」
(まだ快斗に家族の事話してないのに、まさかこんな所でこの話題が出るなんて……)
七槻の口から出る両親の話題に、名前は戸惑いながら小さく息をのむ。
「ね、ねぇ!!じゃあ、新一兄ちゃんは?」
「………え?」
七槻の言葉を遮るように、平次の足元にいたコナンが突然大声で七槻に声をかけたため、七槻は小さく目を見開く。
「!」
そんなコナンの行動に、名前は驚いたように目を見開いてコナンを見つめる。
「ほら!東の代表で名前が出てた新一兄ちゃんは、元々呼ぶ予定じゃなかったの?」
「ああ……そうよ。彼、有名だから白馬君を呼ぶのに名前だけ使わせてもらったのよ」
七槻は突然のコナンの質問に首を傾げながらも、そう説明する。
「……そうなんだ」
(何とか……話題が逸らせたな)
コナンは納得したように子供らしい笑みを浮かべて七槻に言葉を返しながら、内心では小さく胸を撫で下ろす。
「……………。」
(今の名探偵、わざと話題を逸らしやがったな)
それまでの成り行きを見守っていた快斗は、小さく頭を掻いてコナンを見つめる。
「…………。」
(まぁ…あいつが、名前の両親の話題を出した時の名前ちゃん顔強張ってたしな。過保護な名探偵なら当然か)
快斗は、チラリと名前の横顔を気付かれない程度に盗み見る。今は平然とした顔で七槻達の会話を聞いているが、さっき両親の話題になった時にほんの一瞬その表情が強張ったのだ。
(………動揺とか表情の変化が分かりにくい名前ちゃんだけど、俺が気付いたんだ。名前ちゃんと長ェ付き合いの名探偵だって、当然気付くよな。…ったく面倒な兄貴だよ、本当。)
快斗はため息混じりに小さく苦笑しながら、視線の先で何かをコソコソ話し合っている名前とコナンを見比べた。
「新一」
「……あん?」
そんな快斗の視線には気付かずに、名前はソッとコナンに近付いて小声で声をかける。
「今、話題逸らしてくれたんでしょ。ありがとう」
「ああ……それにしても、オメーまだ黒羽に話してねーのかよ?」
「ええ……まぁね」
名前は、コナンにジト目を向けられて気まずそうに小さく頷く。
「とりあえず、オメーが思い詰めたような顔してたし……今は話逸らした方が良かったんだろ?」
「………ええ」
「それに…オメーの話を、俺や博士が黒羽に教えるならまだしも……何にも関係ねェ奴の口から聞くんじゃ、黒羽の立場からしてみたらあんまり良い気持ちがしねェんじゃないかと思ってな」
「……やっぱりそうかしら?」
コナンはため息混じりに言葉を続ける。
「オメーも、いつまでもグズグズしてねーで、早く自分で話しちまえよ」
「…………。」
「黒羽の野郎も、オメーの事なら何聞いても大抵の事なら何とも思わず受け止めるだろうし。そうでなくたって、別にそこまで隠す話でもないと思うぜ?」
「それは…分かってるけど、改まって…親の話するの何となく気がひけちゃって。そのままズルズルと今まで……何かもう……こうなったら私が直接話さないで、新一とかからサラッと話してもらいたいくらいだわ」
名前は前髪をくしゃりと掻き上げながら、ため息混じりに呟く。
「…はぁ。オメーなぁ……ったく、普段あれだけ図太いくせに、本当……変な所で意気地がねーよな」
(黒羽からコイツの親の事を聞かれたのが…確か、コクーンのパーティーの時か。あいつも、気を使って名前にはしつこく聞かねーようにしてるのかもしれねーが………あれから全然その話に進展がねーんじゃ、さすがに黒羽が気の毒だな)
コナンは名前の言葉に呆れたようにため息をつきながら、いつもは敵視している快斗に心の中で同情したのだった。