「探偵甲子園」編
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「雷怖がるふりしとった…あん時しゃがんだんは、拾い損ねたネジ拾うためやったんやろ?」
名前と快斗が小声で会話している中、平次が七槻に尋ねる。
「……………。」
「ん?ちゃうんか?」
しかし、困ったような表情で黙ったままの七槻に平次は首を傾げた。
card.499
「あ、それはきっと…」
--サラッ…
「……あ、」
「ピアスの穴……これを隠すために、あの時耳をふさいだんですよね?」
平次の足元で口を開きかけたコナンの横を名前が横切り、サラリと七槻の髪を掻き上げる。突然の行動に戸惑うように小さく声をあげた七槻に、名前は微笑みながらそう尋ねる。
「え?」
「ピアスの穴?」
名前の言葉に、平次と快斗は意外そうに目を丸くする。
「だから船でヘッドフォンしてたんでしょ?潮風で髪が靡いて見えちゃうから!」
そんな平次の足元で、コナンはニコリと笑って七槻に告げる。
「まぁ、英国ではピアスの学生はざらにいますから、気にも留めませんでしたけど」
名前やコナンと同じく、七槻のピアスの穴に気付いていた白馬は、小さく笑いながら肩をすくめて見せる。
「せやけど、確かあんたのトコの高校は校則がきつうて、ピアスなんか付けられへんのとちゃうか?」
平次は、名前や白馬達の話を聞きながら不思議そうに七槻に尋ねる。
「ええ…」
今まで黙っていた七槻は、全てを言い当てられてしまい、困ったように笑いながら口を開く。
「でも大丈夫。私はもう20歳、高校は2年前に卒業してるから」
「…………。」
(口調が変わったな……)
犯行を言い当てられた後、初めて口を開いた七槻。その口調は急に大人びたものに変わり、快斗は目を見開いて七槻を見つめる。
「ボロが出ないように、自分が着ていた制服を持って来たんだけど…失敗したわね。女子高生っぽさを出そうと思って、校則の事まで口走っちゃうなんて……」
七槻は、制服のスカーフに触れて小さくため息をつきながら呟く。
「だけど、わざわざこいつら高校生探偵をこんな所に集めて…何でこんな事を?」
「どうしても、突き止めたかったのよ…」
首を傾げて尋ねる快斗の問いに、七槻は顔を歪めながら呟く。
「一体何を?」
「そ、それは………」
「ラベンダー屋敷の密室殺人事件。あれを解いた高校生探偵を……ですよね?」
どこか言いにくそうに口ごもった七槻の背中を押すように、快斗の横で名前が尋ねる。
「え、ええ……」
名前に完全に言い当てられて、七槻は驚きながら小さく頷く。
「ほんなら、あの時津がその探偵やったっちゅう事か?」
「ええ…多分。新聞には探偵の名前や事件の詳細までは載らなかったんでしょうけど」
驚いたように尋ねる平次に、名前は小さく頷いて答える。
「……………。」
そんなやり取りを聞いていた七槻は、全てを話す事を決めたのか小さく息をつくとゆっくりと口を開いた。