「探偵甲子園」編
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「まぁ、雷怖がるフリして拾てたから1個は持っとると思てたけどなぁ!」
「え?」
平次は七槻の手からこぼれ落ちたネジを見て満足気に笑いながら、そう七槻に告げる。
「あんたは、俺らが納屋調べてんのを知っとた。あら、雷怖がらんと窓の側で外を見てた証拠やからな」
card.498
「それでさっきあんな事聞いたんだろ?」
「……え?」
平次と七槻の会話を黙って聞いていた名前と快斗だったが、突然快斗が名前に小声でそう尋ねたため、名前は首を傾げる。
「あんな事って?」
「ほら、さっきダイニングに戻って来た時さ……」
--ねぇ、快斗……さっき私達が納屋に入った時ってさ、"雷、まだ鳴ってたわよね?"--
「ああ…うん。あの時、私達がダイニングに戻った時の七槻さんと平次の会話で、おかしいなと思ったんだけど…」
名前は、ダイニングに戻った時の会話を思い出して小さく頷きながら言葉を返す。
「でも、さっき快斗も気付いたでしょ?」
「……え?」
「平次が甲谷さんにネジを見せてる時の、七槻さんの手元の動き…快斗も気付いてたみたいだったから」
「オメー…よく見てるな」
(……まぁ、あれは名前ちゃんの視線を辿って気付いたんだけど)
あの状況で、犯人である七槻以外の自分の言動にも気付いていた名前に目を丸くする。
(ああいう時の名前ちゃんは、犯人の言動に集中してるのかと思ったけど……)
そんな快斗の言葉に、快斗の言いたい事が分かったのか名前はクスクス笑いながら口を開く。
「ふふ……私、快斗の事はいつでも気にしてるから。こうやって側にいれば尚更、自然と目がいっちゃうのかしらね」
「……………。」
「それにしても、やっぱりああいう手元の細かい動きを見つけたり見破るのは、快斗が得意そうよね」
「……………。」
「…何、どうしたの?」
笑いながら話していた名前だったが、いつまでも返答のない快斗に不思議そうに声をかける。
「……名前ちゃんって、いつも何でもない事のように平気でそういう事言うよな」
「何の話?」
「いや……何でもねーよ」
快斗の言っている事がピンときていないように、不思議そうに首を傾げる名前。そんな名前を見た快斗は小さくため息をついて、ヒラヒラと手を振る。
「…そう?」
名前は不思議そうに首を傾げながらも、快斗の仕草から会話が一旦終わったのだと感じて、再び平次と七槻に視線を戻す。
「…………。」
(ああいう事を、無意識で言うんだよな…名前ちゃんは。いつも、こいつのこういう所にしてやられてる気がする…)
快斗は思わず高鳴った胸を落ち着かせるように頭を掻きながらも、どこか悔しいような、困ったような微笑みを浮かべた。