「探偵甲子園」編
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「君は…なぜ違うと思うんだい?」
自分の推理を否定された白馬は、槌尾からコナンに視線を移して尋ねる。
「だって、平次兄ちゃんが窓ガラスを割るのを予測出来たとしても、4枚のガラスのどの部分を壊すかまでは分からないでしょ?」
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「それに、いくら平次兄ちゃんが血の気が多いっていっても…壊す前に穴が空いてたら気付くと思うけど」
「………。」
「……………。」
(血の気が多いは余計じゃ……)
的確なコナンの言葉に眉を寄せる白馬の横で、平次は不服そうに顔をしかめる。
「……………。」
(お……この展開は、まずは白馬の推理が外れてたみたいだな)
快斗は、腕を組みながら事の成り行きを見守る。
「し…しかし、納屋の南京錠をこじ開けたのは…間違いなく彼…」
白馬は、どこか戸惑ったように呟く。
「ええ。槌尾さんの手癖が悪いっていうのは、確かに白馬君の言う通りだと思うわよ」
そんな白馬に、名前は困ったように眉を寄せながら声をかける。
「だったら、なぜ!?」
「せやから……お前の頭ん中には、"泥棒=犯人やっちゅう方程式″でもあるっちゅうんかい!?」
「!!」
戸惑う白馬に向かって告げられた平次の言葉に、白馬はハッとしたように息をのむ。
「…………。」
(フッ…僕とした事が…)
そして白馬は、平次の言葉に思い当たる節があったようで自嘲気味に小さく笑みをこぼす。そして無意識のうちに自分の頭の中の大半を占めていた、白き衣を纏う怪盗の姿を思い浮かべてため息をついた。
「……その方程式って、」
(もしかしなくても、俺(キッド)の事じゃねーか!)
平次と白馬の会話を聞いていた快斗は、うんざりしたように小声で呟く。
「ふふ……白馬君に、相当愛されているみたいね」
「勘弁してくれよ……ったく」
クスクスと笑う名前の言葉に、快斗は大きくため息をつく。そんな快斗の耳元で、名前は小声で言葉を続ける。
「白馬君…快斗が、ここにいる事で無意識にその"方程式″が色濃くなっちゃったのね」
「え?」
「だって、普段冷静な白馬君らしくない早とちりじゃない?」
「………なるほどな」
(確かに、あいつにしては珍しいか…?)
快斗は名前の言葉にどこか納得したように頷くと、珍しく落ち込んでいるように見える白馬に視線を向ける。
「…で?結局、密室トリックは何だったのかな?」
白馬と平次の会話が一段落したところで、七槻がコナンに尋ねる。
「超簡単なトリックだよ!」
コナンは、そんな七槻の言葉に笑顔で答えると密室の推理を説明し始める。
「まず、窓枠を固定しているネジを全部ドライバーで抜いて窓ごと外す。抜いたねをプレイヤーで短く切ったら準備OK!後は、外に出て窓枠の接着面に木工用ボンドを塗ってくっつけるだけ。もちろん、短く切ったネジの頭をはめ直して窓に鍵をかけた後でね!つまり、見かけはネジでしっかり固定されているように見えるけど、中身は寸足らずのネジがはめられたボンドでくっついているだけの窓だったってわけさ!」
「へぇ……」
コナンの説明を聞いた白馬は、その内容に感心したように顎に手をあてながら頷く。
「なるほどな…」
--お前らは探偵なんて気取ってるが、所詮中身は寸足らずのガキ共…--
--……所詮お前らは見かけ倒しって事だ--
(あの時、名探偵が部屋から出ていったのは、あの偽ディレクターの言葉を聞いてトリックに気がついたってわけか…)
快斗は、コナンがダイニングから出ていった時の事を思い出して納得したように頷いた。