「探偵甲子園」編
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「それは、槌尾さん…あなたですからね!」
「な、何を馬鹿な…!?」
突然白馬に自分の名前を出された槌尾は、驚いて目を見開く。
「あなたが、煙草を取りに戻ると偽って行った納屋にかかっていた南京錠。こじ開けられた真新しい跡がある上に、濡れた状態で納屋の中に放り込んでありました」
「……………。」
(そういや、あの納屋…本当は鍵がかかってたって言ってたな)
快斗は、白馬の言葉を聞きながら鍵のかかっていなかった納屋の扉を思い返した。
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「つまり、それをこじ開けたのは雨が降った後に外に出た槌尾さんのみ。あなたの部屋の工具箱から、針金だけがなくなっていましたしね。」
「…………。」
(白馬君…今までいなかったのは、それを確認しに行ってたのね)
「それで、どうやって密室にしたんだよ?」
「槌尾さんは、3日前に下見でここを訪れていたと言ってましたよね?」
「ああ…」
「恐らく、その時に時津君の部屋の窓ガラスに小さな穴を空けておき、今夜彼を殺害した後…窓から外に出てそのガラスの穴から先を折り曲げた針金を入れ、鍵のつまみに引っ掛かけてロックしたんですよ。持ち前の器用さでね。後で、窓の外から時津君の死体を見つけた服部君が"迂闊にも"窓ガラスを破って室内に入り、ガラスに空けた穴をうやむやにしてくれると見越してね……」
「…………。」
白馬の隣では、服部が渋い顔で白馬の推理を聞いている。
「……その後、納屋にあった無線機をわざわざ壊したのは僕達に不安感を抱かせ…精神的に追い込んでもう1人誰かを殺す気だった。違いますか?」
「あの、白馬く…」
「違うと思うよ!」
白馬の推理が終わり、名前が自分の考えを言おうと口を開くと、またしても入口から聞こえる第三者の声に遮られる。
「しん…コナン君?」
(新一……どこに行ってたのか知らないけど、いつもの自信満々な表情だし…新一も何か分かったのね……きっと)
名前が声をした方に目を向けると、そこにはいつの間にかどこからか戻って来たコナンの姿があり、いつもの不敵な笑みを浮かべて立っている。
「……………。」
(どうなる事かと思ったけど、新一があの表情をしてるなら心配いらないかしら?)
名前は、しばらくコナンを見つめた後に小さく息をついて肩の力を抜く。そして、ひとまずコナンにこの場を任せようと黙ったまま状況を見守る。
「なんか、今日はなかなか名前ちゃんの出番ねーな」
先ほどから、中々口を挟むことが出来ない名前を見ていた快斗は、諦めたように黙り込んだ名前に小さく苦笑しながら声をかける。
「あら、私は別に活躍したいわけじゃないから良いけどね」
名前は快斗の言葉に苦笑しながら言葉を返す。
「そうかー?」
「ふふ、そうよ……それに今回は…ほら、これだけ自己主張の強い探偵が集まってるからね」
名前は、チラリとダイニングに集結した高校生探偵に視線を向けながらどこか楽しそうに笑う。
「確かに、個性が強い集まりだよな」
(確かにこんなメンバーじゃ……口挟むのも一苦労か)
「とりあえず、無事に犯人にたどり着いて事件が解決してくれれば、私は誰が解こうと構わないし…とりあえず彼らに任せるわ」
(それに新一がああいう顔してる時は、口を挟む必要もなさそうだし。私の考えも証拠があるわけじゃないから、確証もないしね…)
名前は小さく肩をすくめながらため息混じりに呟くと、事の成り行きを見守るべくコナンと白馬に目を向けた。