「探偵甲子園」編
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---ゴロゴロゴロ…
未だ、雨と雷の音が響く無人島のロッジ。それぞれ違う人物を犯人だと思い浮かべる高校生探偵達の中で、ダイニングにいる平次が一番に口火を切る。
「せやろ?時津を殺して、まんまと密室にしくさった…甲谷廉三さん?」
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「「!?」」
「……え?」
平次の言葉に、槌尾や七槻が驚きながら甲谷に視線を向ける中、名前が小さく声をあげて目を見開く。
「…………。」
(名前のこの反応……色黒探偵と考えが違うのか?)
快斗は平次の言葉を聞いた名前の反応を横目で見ながら、不思議そうに二人を見比べる。
「まぁ、ちょっと考えたら簡単な事や。時津は、自分の部屋を密室にすんのに1時間ぐらいかかる言うてたやんか……ちゅう事は、それくらい手間のかかるトリックやったわけや」
「…………。」
名前は、平次の考えを探るように腕を組みながら平次を見つめる。
「……当然、その準備が完全に整うた後に時津に会いに行って殺して…そのトリックを、そのまんま使て密室殺人を完成させたと考えた方が自然やろ?」
そんな名前の視線を受けながらも、平次はどんどん言葉を続けていく。
「せやから、時津がそう言うて自分の部屋にこもったすぐ後にトイレに立った越水さんと、そのまた30分後に煙草を取りに自分の部屋に戻った槌尾さんは違うやろ。…つまり、時津の死体が密室で見つかる直前に時津の様子を1人で見に行った甲谷さん……犯人はあんたしかおらんちゅうわけや」
「ちょっと平次……」
「やれやれ、君は僕はどこまで落胆させれば気が済むんだい?」
平次が自分の推理を言い終わったタイミングで、名前は戸惑いがちに口を開くが、その言葉はふいに入口から聞こえた言葉に遮られる。
「あら……白馬君。今までどこに行ってたの?」
名前が声がした方に視線を向けると、そこには部屋の扉に寄り掛かり腕を組む白馬の姿。
「なんや…お前、急に出て来よって…」
「ふっ……残念ながら、彼は犯人ではありませんよ」
平次は突然出て来た白馬にジト目を向けるが、白馬は自分に声をかけた名前に小さな微笑みを向けた後に、平次に視線を戻す。
「…なぜなら、その罪人は針金1つで自在に鍵を開閉出来る人物」
白馬はそう言うと、スッと寄り掛かっていた壁から背を離してその人物に視線を向けながら口を開く。
「それは……槌尾さん、あなたですからね!!」
「え…?」
「名前ちゃん?」
白馬の自信満々な台詞に、またしても名前は驚いたように目を見開く。
「ちょっと、今日は一体どうなってるのよ…」
快斗はそんな名前に不思議そうに視線を向けるが、名前は唖然としたように小さく呟く。
「?」
(色黒探偵も白馬も意見が違うみてーだし、名前ちゃんも驚いてるし……誰が犯人なんだ?)
快斗は、不思議そうに名前や白馬達を見比べる。
--ねぇ、快斗……さっき私達が納屋に入った時ってさ……--
(でも、さっき名前ちゃんが引っ掛かってたポイントからすると、あいつが怪しいんじゃ?)
そんな中、快斗はつい先ほどの名前とのやり取りを思い返して小さく首を傾げた。