「探偵甲子園」編
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--ザーッ
-----ゴロゴロゴロ…
「オメー、わざわざ取りに行っておいて……それ黒羽の服じゃねーか?」
「ええ……だって1泊2日って聞いてたし、こんな季節だから上着らしい上着なんて持って来なかったんだもの」
雨が降り続き、未だ雷鳴も収まる気配を見せない無人島。そんな中、納屋に向かう一同。少し大きな黒い上着を羽織る名前の隣を歩くコナンは、ジト目を名前に向ける。
「オメーなぁ、出先に上着くらいちゃんと持って来いよ。風邪ひくだろーが」
「…準備が悪くて悪かったわね」
部屋で散々快斗にも同じ事を言われた名前は、珍しくふて腐れたようにポツリと言葉を返した。
card.490
「…………。」
(黒羽も黒羽やけど、相変わらず工藤も名前に過保護やなぁ…)
名前とコナンの後ろを歩く平次は、2人の会話に小さく苦笑する。
--ザーッ
----ゴロゴロゴロ…
「……ここですよ!」
そんな中、先頭を歩く白馬が納屋の扉に手をかける。
---ガラッ
「……あらら」
「うわぁ……ホンマに、無線機…目茶苦茶に壊されてるやないか」
納屋に入った途端、目に入ってきた無線機は修理も出来ないくらい破壊されていて、それを見た名前達は小さくため息をつく。
「しかし、この島で唯一の通信手段である無線機があるってーのに、この納屋には鍵もかかってねーんだな」
快斗は、扉のすぐ脇の壁に腕を組んで寄り掛かりながら呆れたように呟く。
「いや……南京錠がかかっていたはすですよ。その鍵は甲谷さんが管理しているようですが…」
快斗の言葉を聞いた白馬は、首を傾げながら不思議そうに辺りを見渡す。
「…………ん?」
そんな白馬は、床に落ちているある物を見つけてふいに言葉を切る。
(南京錠……?)
白馬の視線の先には、壊れた南京錠が落ちている。
(あれは……こじ開けた跡!?)
「………しかし、泥の靴跡だらけやな」
白馬が南京錠を見つけていた頃、平次とコナンはしゃがみ込んで納屋の床に無数に残された靴跡を見ていた。
「本当ね…」
「あの偽ディレクターの足跡だろ?雨が降りはじめた後に外に出たのあいつくらいだし」
名前と快斗も、しゃがみ込んでいる平次達の後ろから足跡を覗き込む。
「そうだよね?白馬の兄ちゃん……あれ?」
コナンは快斗の言葉に頷きながら、全員の行動を分刻みで把握している白馬に話を振ろうとして振り返るが、途中で言葉が途切れる。
「どうしたの、コナン君?」
「白馬がいねェ…」
「え?」
「あの野郎どこ行ったんだ?」
「さっきまで普通に喋ってたやんな?」
白馬の姿がないからか、素の口調に戻ったコナン。名前や快斗達は、足跡から視線を外して不思議そうに辺りを見渡す。
「何か気付いた事でもあったのかしら……一人で大丈夫かな」
(そういえば、納屋の鍵の話をした後くらいから、白馬君急に喋らなくなったわね)
「容疑者はダイニングにおるから大丈夫やろうけど…意外とあいつも個人プレーやないか」
名前が不思議そうに呟くなか、平次は呆れたようにため息をつく。
「まぁ…結局、無線機も壊れてたし……とりあえず俺たちも戻るか?」
「ああ……そうだな」
快斗の提案に、コナンも小さく頷く。そして4人は、再び雨の中をロッジに向かって足を進めた。