「探偵甲子園」編
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「おーい?」
「………。」
「名前ちゃん?」
黙り込んでいる名前の顔を、快斗は心配そうに覗き込む。
「ああ……ごめん、ちょっと考え事しちゃって」
名前は、快斗の顔が自分の目の前に出て来た事でようやく快斗に声をかけられていた事に気づいて、快斗に笑顔を向けた。
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「何か分かったのか?」
(本当、集中すると周りが見えなくなるタイプで危なっかしいんだよな…)
快斗は小さく苦笑しながら、名前に尋ねる。
「ううん……ただ、槌尾さんと甲谷さんの話が本当だとしたら…2人に指示を出してる人物の狙いは、"招待された高校生探偵″なのかなって。まぁ、時津君だけが狙いだった可能性もあるんだけどね」
「そうなると、指示を出してるっていう人物はこの中にいるって事になるな」
名前の言葉に、快斗はしばらく考えたあと僅かに声を潜めて呟く。
「ええ…状況的に、指示を出している人物=犯人でしょうから。ここにいる人物以外って可能性も捨てきれないけど……この無人島に第三者が潜んでるっていうのは、あまり現実的ではないし」
名前は、再び考えを整理するかのように眉を寄せながら答える。
「ただ……あの偽プロデューサーと世話役の2人と、南の代表以外は俺らの知り合いだからなあ。そうなると、かなり絞られてくるよな」
(……白馬の野郎は嫌いだが、こんな事する野郎じゃねーしな)
「そうね……」
名前は快斗の言葉に頷きながら、顔見知りである平次や白馬達に視線を向ける。そして、ため息をつきながらチラリと快斗に目を向ける。
「ま、槌尾さんと甲谷さんの話を全て信じるなら…の話だから。結局、まだ何とも言えないけどね」
「そっか…」
「……でも良かったわ」
何も進展もない状況に小さくため息をつく快斗を尻目に、名前は何故か場違いな笑みと共にそう呟く。
「…え?」
そんな名前の姿に、快斗は不思議そうに首を傾げる。
「だって、狙われてるのが高校生探偵なら…快斗は対象外でしょ?」
「……は?俺…?」
「まぁ、元々飛び入り参加の快斗はターゲットにらならないだろうなとは思ってたけど。やっぱり、私は快斗に何かあるのが一番嫌だもの」
「……………。」
快斗は、平然とそう告げる名前の言葉に目を丸くする。
「名前ちゃん?俺はともかく、それだと…オメーは、狙われてる事になるじゃねーか?」
「……こうなってくると、それくらいは許容範囲ね。快斗が狙われてるくらいなら、自分が狙われてる方がまだ気が楽だもの」
「………………。」
快斗は、名前の言葉を聞いて盛大にため息をつくと、困ったように片手で目元を覆う。
(名前ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど、そこまで言われるって男の立場として俺ってどうなんだ……)
「…快斗?」
快斗の気持ちをよそに、名前はため息をつく快斗を見つめて首を傾げる。
「いや…何でもねーよ」
(ここまで言われちまうと、意地でも俺がこいつを守らねーとな)
快斗は名前の言葉に曖昧に言葉を返すと、心の中でそう決意しながら、優しく名前の頭を撫でた。