「探偵甲子園」編
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「じゃあさー、おじさんが自分の部屋に煙草を取りに行ったのに、外に出て雨に濡れちゃったのはどうしてなの?」
槌尾がディレクターではない事や、ディレクターだと嘘をついていた事情が大方分かったコナンは、次に疑問に思っていた事を槌尾に尋ねた。
card.484
「……な、納屋にある無線機を使いに行ってたんだ…」
「あら…ここでは外界と連絡がとれないと思って諦めていたけど、無線機なんてあったんですか?」
名前は、槌尾の言葉に意外そうに目を丸くする。
「あ、ああ……でも…こ、壊されていたんだよ!!3日前に下見に来た時には確かにあった、緊急用の無線機が!!」
「……ホンマか、それ?」
「しかし妙ですね。あなたが外に出て行ったのは、殺人が起こる前。緊急用の無線機を見に行くという事は、分かっていたんですか?この後、"緊急事態になる″…と」
「そ、そんな予感がしただけだよ……本当に」
白馬の問いに、槌尾は顔を青くして肩を落としながら答える。
「ふぅん……じゃあ、おっさんも槌尾さんに呼ばれてたってわけか?」
今まで黙って槌尾の話を聞いていた快斗が、チラリと甲谷を見ながら尋ねる。
「ええ、"若き探偵達の世話係″として2日前からここに。丁度執事としてお仕えしていた家から、お暇を出されたばかりでしたから……」
「でも、密室のトリックは知ってたんですよね?甲谷さん、答えを書いて自分の中の所に持ってきてって言ってましたし…」
快斗の隣に立つ名前が、快斗に続いて甲谷に尋ねる。
「いえ…"密室で何か起きたらそう言え"と、言われていただけだよ。答えの紙もトイレマットの下に忍ばせておけ、という指示だったし…」
「うまい言い方やなぁ………それやと、まるであんた以外に黒幕がおるみたいや」
そんな甲谷の返事を聞いた平次は、ジリジリと甲谷に近寄ってジト目を向ける。
「い…いや、私は本当に……」
平次の疑うような言葉を受けて、甲谷は慌てて弁解するように首を横に振る。
「…………。」
そんな甲谷と平次のやり取りを、名前は黙ったまま見つめる。
(……黒幕か。だけど、もしこの2人の話が本当だとしたら…槌尾さんと甲谷さんを雇った人物には何か目的があったはず)
「…高校生探偵、」
「……え?」
名前が小さな声でポツリと呟いた言葉に、快斗は名前に視線を移して首を傾げる。
「……………。」
しかし名前は何か考えを巡らせるように黙り込んだまま、ジッと前を見つめていた。