「黄昏の館」編
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---カタン…
「どうぞ、お召し上がりください」
1つ1つ料理や食材の説明をしながら、メイドが料理を並べていく。
名前達の前には、いくつもの豪華な料理が並んでいた。
card.48
「…ねぇ、メイドさん?もしかして料理をテーブルに置く順番も、雇い主の御主人様から言い付けられていやしなかったかい?」
「あ…はい、白馬様の席から席順で時計回りにと」
「千間さん…?何か気になるんですか?」
突然メイドにそう問いかけた千間。それが気になった名前は、身体を少し前に出して3つ隣の席に座る千間に尋ねる。
「いやね、ゲームは始まったばかりなのに、"最後の晩餐″というのが…ちょっとね」
そう。この食事はスピーカー越しに話す館の御主人曰く"最後の晩餐″だというのだ。しかし今日はシェフが急病で来れなくなったらしく、目の前の料理は、料理が得意だと言う大上が急遽作ったものだ。
「おいおい、料理はこの私が作ったんだぞ?私を疑っているのか?」
案の定、千間の言葉に大上は不機嫌そうに眉を寄せる。
「まぁまぁ…確かに料理は急遽大上さんが作ったものですが、席順は指定されていましたし…食器はこの館のもの。自分のハンカチでグラスやフォークなどを拭いた方が賢明でしょう」
「えー…いやね、物騒で」
大上を宥めつつもそう話す白馬の言葉に、名前は小さくため息をつきながら、白馬に習いハンカチを出して自分の食器を拭きはじめる。
「しかし、それで運悪く毒に当たったら…」
「ふんっ!そんときゃ、それだけの人生だったと……棺桶の中で泣くんだな」
「そ、そんなあ…」
投げやりに告げる茂木の言葉に、小五郎は肩を落として食器を念入りに拭き始める。
「……蘭、名前…坊主も!ちゃんと食器拭いてから食うんだぞ?」
そして大声で名前達にも念をおすように声をかけた。
「ふふ……どうやら思い過ごしだったようだねぇ」
しかし意外にも食事の時間は平和にすすみ、美味しい料理に自然と一同に笑みが零れる。
「どうかね……諸君。私が用意した最後の晩餐の味は?」
そんな中、タイミングを見計らったようにふいにマネキンについたスピーカーから再び声が響き始める。
「では……そろそろお話ししよう。私がなぜ大枚をはたいて手に入れたこの館を、ゲームの舞台にしたのか……まずは、今諸君の手元にある食器の数々をよく見てくれたまえ!」
一同はスピーカーの声に従い、自分達が使っていた食器に目を向ける。
「鳥?どの食器にも嘴な大きな鳥のマークがついてる」
蘭が食器についた鳥の柄を見つめて不思議そうに呟く。
「これはカラスじゃないか?」
「…………。」
(鴉"カラス″……ということは、これって…)
一つの可能性が頭に浮かんだ名前の気持ちを引き継ぐように、スピーカーから再び声が響く。
「…もうお分かりかな?それは、半世紀前に謎の死を遂げた大富豪…烏丸蓮耶の紋章だよ」
「か…烏丸蓮耶!?」
「…この館は烏丸が建てた別荘だった。40年前この館で、血も凍るような惨劇が起きたあの夜まではね…」
スピーカーを通して、40年前オークション会場となったこの館で、マリファナを使用したために起こった惨劇の詳細が語られる。マリファナを使用し錯乱状態となった参加者達が、突然殺し合いを始めたために多くの参加者がこの館で亡くなったのだ。
参加者の中に著名人がいたために、世間には知られる事もなく揉み消された事件。そしてあろう事か、スピーカーの声の主は今ここに集まった探偵達に、財宝を巡って再び40年前と同じ惨劇を演じてほしいと言い出したのだ。
「バカね…殺し合いっていうのは、相手もそうだけどこっちもその気にならなきゃ始まらないのよ」
槍田の呆れたような呟きを遮るように、スピーカーは言葉を続ける。
「無論…このゲームから降りる事は不可能だ。なぜなら君達は私が唱えた魔術に、もうすでに…かかってしまっているのだから」
「ぅっ…!ぐぁああ!!」
「え、…茂木さん!?」
スピーカーから告げられた言葉を聞き終えたのと同時に、突然大声をあげて苦しみ出した茂木。その姿に蘭は慌てたように立ち上がる。
「………なーんてな?」
しかし茂木は、そんな反応を楽しむかのように笑いながらパチリとウィンクする。
「……………。」
(…こんな時に悪い冗談を)
名前は茂木の行動に呆れたようにため息をつくが、その途端に今度は大上が、先程の茂木とは比べものにならないような声をあげながら床に倒れる。茂木の悪ふざけの時とは明らかに違う大上の様子に、蘭や小五郎は目を見開いて動けなくなる。
そんな中、大上の様子を見ていち早く反応した白馬は、スッと大上の側にしゃがみ込み眉を寄せる。そして懐から懐中時計を取り出し時刻を確認する。
「22時34分51秒、死亡停止確認。」
「……残念だけど、この状況では蘇生は不可能そうね」
時間を確認した白馬の後ろから、倒れた大上の姿を覗き込んだ名前は小さな声でポツリと呟いた。
「どうぞ、お召し上がりください」
1つ1つ料理や食材の説明をしながら、メイドが料理を並べていく。
名前達の前には、いくつもの豪華な料理が並んでいた。
card.48
「…ねぇ、メイドさん?もしかして料理をテーブルに置く順番も、雇い主の御主人様から言い付けられていやしなかったかい?」
「あ…はい、白馬様の席から席順で時計回りにと」
「千間さん…?何か気になるんですか?」
突然メイドにそう問いかけた千間。それが気になった名前は、身体を少し前に出して3つ隣の席に座る千間に尋ねる。
「いやね、ゲームは始まったばかりなのに、"最後の晩餐″というのが…ちょっとね」
そう。この食事はスピーカー越しに話す館の御主人曰く"最後の晩餐″だというのだ。しかし今日はシェフが急病で来れなくなったらしく、目の前の料理は、料理が得意だと言う大上が急遽作ったものだ。
「おいおい、料理はこの私が作ったんだぞ?私を疑っているのか?」
案の定、千間の言葉に大上は不機嫌そうに眉を寄せる。
「まぁまぁ…確かに料理は急遽大上さんが作ったものですが、席順は指定されていましたし…食器はこの館のもの。自分のハンカチでグラスやフォークなどを拭いた方が賢明でしょう」
「えー…いやね、物騒で」
大上を宥めつつもそう話す白馬の言葉に、名前は小さくため息をつきながら、白馬に習いハンカチを出して自分の食器を拭きはじめる。
「しかし、それで運悪く毒に当たったら…」
「ふんっ!そんときゃ、それだけの人生だったと……棺桶の中で泣くんだな」
「そ、そんなあ…」
投げやりに告げる茂木の言葉に、小五郎は肩を落として食器を念入りに拭き始める。
「……蘭、名前…坊主も!ちゃんと食器拭いてから食うんだぞ?」
そして大声で名前達にも念をおすように声をかけた。
「ふふ……どうやら思い過ごしだったようだねぇ」
しかし意外にも食事の時間は平和にすすみ、美味しい料理に自然と一同に笑みが零れる。
「どうかね……諸君。私が用意した最後の晩餐の味は?」
そんな中、タイミングを見計らったようにふいにマネキンについたスピーカーから再び声が響き始める。
「では……そろそろお話ししよう。私がなぜ大枚をはたいて手に入れたこの館を、ゲームの舞台にしたのか……まずは、今諸君の手元にある食器の数々をよく見てくれたまえ!」
一同はスピーカーの声に従い、自分達が使っていた食器に目を向ける。
「鳥?どの食器にも嘴な大きな鳥のマークがついてる」
蘭が食器についた鳥の柄を見つめて不思議そうに呟く。
「これはカラスじゃないか?」
「…………。」
(鴉"カラス″……ということは、これって…)
一つの可能性が頭に浮かんだ名前の気持ちを引き継ぐように、スピーカーから再び声が響く。
「…もうお分かりかな?それは、半世紀前に謎の死を遂げた大富豪…烏丸蓮耶の紋章だよ」
「か…烏丸蓮耶!?」
「…この館は烏丸が建てた別荘だった。40年前この館で、血も凍るような惨劇が起きたあの夜まではね…」
スピーカーを通して、40年前オークション会場となったこの館で、マリファナを使用したために起こった惨劇の詳細が語られる。マリファナを使用し錯乱状態となった参加者達が、突然殺し合いを始めたために多くの参加者がこの館で亡くなったのだ。
参加者の中に著名人がいたために、世間には知られる事もなく揉み消された事件。そしてあろう事か、スピーカーの声の主は今ここに集まった探偵達に、財宝を巡って再び40年前と同じ惨劇を演じてほしいと言い出したのだ。
「バカね…殺し合いっていうのは、相手もそうだけどこっちもその気にならなきゃ始まらないのよ」
槍田の呆れたような呟きを遮るように、スピーカーは言葉を続ける。
「無論…このゲームから降りる事は不可能だ。なぜなら君達は私が唱えた魔術に、もうすでに…かかってしまっているのだから」
「ぅっ…!ぐぁああ!!」
「え、…茂木さん!?」
スピーカーから告げられた言葉を聞き終えたのと同時に、突然大声をあげて苦しみ出した茂木。その姿に蘭は慌てたように立ち上がる。
「………なーんてな?」
しかし茂木は、そんな反応を楽しむかのように笑いながらパチリとウィンクする。
「……………。」
(…こんな時に悪い冗談を)
名前は茂木の行動に呆れたようにため息をつくが、その途端に今度は大上が、先程の茂木とは比べものにならないような声をあげながら床に倒れる。茂木の悪ふざけの時とは明らかに違う大上の様子に、蘭や小五郎は目を見開いて動けなくなる。
そんな中、大上の様子を見ていち早く反応した白馬は、スッと大上の側にしゃがみ込み眉を寄せる。そして懐から懐中時計を取り出し時刻を確認する。
「22時34分51秒、死亡停止確認。」
「……残念だけど、この状況では蘇生は不可能そうね」
時間を確認した白馬の後ろから、倒れた大上の姿を覗き込んだ名前は小さな声でポツリと呟いた。