「探偵甲子園」編
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---ガタッ
「え?マジッ!?」
席を外していた七槻が自分の席に戻って来ると、驚いたように声をあげる。
「ちょっとトイレに行ってる間に、もうほとんどなくなってるじゃないかー!!」
七槻の前に並んだ料理の皿は、七槻の言うようにほとんどなくなっていたのだった。
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「オジサン、ちょっと食べ過ぎじゃない?」
七槻は隣の席の槌尾にジト目を向けながら席に座る。
「あ…悪かった。腹が減ってたもんで……」
「ほんなら、腹が膨れたところでそろそろ話してもらおやないか?偽のディレクターさん?」
食事を終えて一息ついている槌尾に、同じく食後の珈琲を飲みながら平次が声をかける。
「「……………。」」
名前と快斗も、企画の内容についての話が始まりそうな雰囲気に気付くと、会話をやめて槌尾に視線を向ける。
「あんたが、偽者として何でこの"探偵甲子園″の企画に参加したんかを。俺らの技量を量るためやなかったんなら、あんたの役目は何なんや?」
「はは…ダメ、ダメ!それを言ったら、ギャラをもらえない約束になってるから…」
しかし槌尾は、平次の言葉に軽く肩をすくめながら言葉を返す。
「……日売テレビにか?」
「ああ…まぁね」
「………こうなってくると、本当に日売TVの企画なのかも怪しいわよね」
「ああ……いまいち、テレビの企画って雰囲気もしねーしな。そもそも、監視カメラがいくつもあったら、俺さすがに気付くと思うんだよね」
「確かに…快斗、そういうの鋭そうだもんね」
槌尾の様子を眺めながら、名前と快斗は小声で言葉を交わす。
「じゃあ、これは答えて頂けますか?」
「……ん?」
平次の質問に答えようとしない槌尾に、槌尾の向かいに座る白馬が声をかける。
「このロッジに入った時から気になっていたんですよ。ラベンダーの香りがね…」
白馬は、チラリとダイニングに置かれたラベンダーの鉢を見ながら告げる。
「あら……それなら、私達の部屋にもあったわね」
「ああ。狭い部屋にしては、やけにでかい鉢が置いてあったな」
白馬の言葉に、名前と快斗は部屋に置かれていたラベンダーを思い返して言葉を交わす。
「ラベンダーなら、僕達の部屋にもあったよね?」
「せやな…」
「ボクの部屋にもあったよ!」
名前達の言葉を聞いて、コナンや七槻達も口を開く。
「あら……じゃあ、みんなの部屋も含めてロッジの至るところに、ラベンダーが置かれているのかしら?」
チラリとダイニングに置かれたラベンダーを見ながら、名前が不思議そうに呟く。その横で、快斗がふと思い出したように口を開く。
「そーいや、おっさん。あれはどうなんだ?」
「……何だい?」
快斗から声をかけられた槌尾は、お茶を飲みながら快斗に視線を向ける。
「あのラベンダーの鉢の横に置いてあった工具箱……あれも何か意味があるんじゃねーの?」
「…………。」
(そういえば…ラベンダーの横に、確か工具箱も置かれていたわね)
頬杖をつきながら槌尾に尋ねる快斗の言葉を聞きながら、名前は部屋に置かれていた工具箱を思い出す。
「さぁ…どうだかねぇ?」
しかし槌尾は、快斗の問いにわざとらしく肩をすくめる。
「それを探り当てるのも、探偵の仕事」
「…え?」
「甲谷さん?」
そんな槌尾に続いて、食器を下げていた甲谷がふいに口を開いた。