「探偵甲子園」編
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「だからー、この辺に停まってて高校生くらいの子供達を乗せてった船だよ!!」
「……高校生ねぇ?」
「そうそう!!それが誰の船だか知らないんスか?」
名前達がダイニングに集まっていた頃、港では小五郎が漁港の漁師達に名前や平次達を乗せた船の所有者を聞いて回っていた。
card.473
「……………。」
そんな小五郎の台詞を背中に聞きながら、和葉は自分の携帯を険しい顔で見つめている。
「どうしたの、和葉ちゃん?まだ服部君に繋がらない?」
そんな和葉に、蘭が心配そうに声をかける。
「う、うん。さっきから、ずーっと"電波の届かへんトコにおる″の繰り返しや……」
「そっか…」
和葉の言葉に、蘭もため息混じりに肩を落とす。
「なぁ、蘭ちゃん。何か変な感じしーひん?」
「え?」
「なんや…得体の知れん不気味なモンが平次らに迫って来てるみたいな…」
和葉は、どこか思い詰めたような表情で呟く。
「……考え過ぎだよ。きっと、服部君なら何とかしてコナン君と一緒に帰って来るよ!それに、今回は名前と黒羽君も一緒だし……」
蘭は不安そうな和葉を慰めるように声をかける。
「…せやけど、ひっかかんねん」
「……え?」
「連れて行かれてまう前の、平次の顔が……何遍も何遍も…頭ん中に出てきて」
「………和葉ちゃん」
和葉は、船に乗り込む前の平次の姿と言葉を思い浮かべながら眉を寄せる。
「な…なぁ、コナン君の携帯はどうなん?まだ繋がらへんの?」
「…うん、こっちもやっぱり駄目みたい」
蘭も、和葉同様に何度かコナンの携帯にも連絡しているのだが、平次と同じく一向に繋がらない。
「名前ちゃんの携帯も繋がらんし。黒羽君は連絡先知らんしなぁ。でも、今思えば名前ちゃんは女の子やから余計に心配やけど、黒羽君が一緒に行ってくれて良かったわ」
「そうだね…高校生探偵なんて男の子が多そうだもんね。名前だけで行ってたら、名前も心細かったかも。黒羽君なら優しいし、名前の事ちゃんと気にかけてくれそうだもんね」
蘭も和葉の言葉に、小さく微笑んで頷く。
「でも、こないな事になるんやったら、"東の代表″で工藤君も一緒やったらもっと心強かったんやけど…」
「……………。」
(新一……)
蘭は和葉の言葉を聞いて、もう1度自分の携帯に目を向ける。
---ピッ、ピッ
(新一の携帯もコナンと同じ……)
『…おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません』
(ま、まさか…新一も行ってるんじゃ?高校生探偵達が拐われたその島に…)
蘭は携帯から無情に響くアナウンスに眉を寄せながら、遥か彼方に続く大海原を見つめた。