「探偵甲子園」編
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「あ、そうだ。念のため言っておくけど、このトリックは"粗暴な探偵の愚かな行動″は想定外だから、ヨロシク~!」
時津は部屋から出ようとしたところで、くるりと振り返るとそう告げる。
「まぁ…同じ過ちは、もう繰り返さないでしょう。地元の名誉と大阪府警本部長の父親の名に懸けて。そうだろ西の代表君?」
card.471
「………ハハハ」
時津に続いて部屋を出た白馬の去り際の台詞に、平次は苦々しく乾いた笑いをこぼす。
「……でもさ、」
そんな平次の横で、七槻が小さく口を開く。
「ボクは好きだな、君みたいな熱い探偵」
「……へ?」
「あれー?色黒探偵、いつの間にか良い雰囲気じゃん」
七槻の思わぬ台詞に目を見開く平次。そんな姿を見て、快斗はニヤニヤと楽しそうに笑っている。
「そう?」
「越水さんは、よく分からねーが。服部に限って、それはねーんじゃねーか?」
快斗の言葉に、同じく七槻と平次の様子を見ていた名前とコナンが言葉を返す。
「そうねぇ。確かに、平次はいろいろ鈍そうだし」
「…………。」
(それに関しては、オメーは人の事言えねー気もするが……)
コナンはポツリと呟かれた名前の言葉を聞いて、口には出さずに反論する。
「それに、どうなってるか分からないけど和葉ちゃんもいるしね…」
「あー、何?色黒探偵も、あの子と何かあんの?」
名前の言葉を聞いて、まだ人間関係をよく知らない快斗は首を傾げる。
「うーん、何かあるっていうか……まだ何もないっていうか…?」
名前は、2人の関係を何と言うべきか困ったように言葉を返す。
「……あの2人も幼なじみだっけ?」
「平次と和葉ちゃん?そう、幼なじみよ」
「ふーん?探偵っていうのは、みんな奥手なわけ?」
「………何だよ?」
コナンをチラリと見ながらそう尋ねる快斗に、コナンは眉を寄せる。
「だって、名探偵も色黒探偵も幼なじみ相手に、何年も"幼なじみ″やってんだろ?」
「……それが何だよ?」
「…………。」
名前は雲行きが悪くなりそうな2人の会話を、黙ったまま見守る。
「それって、俺らの場合に置き換えると…俺と名前ちゃんが、何年も"幼なじみ″って関係を清く正しく続けるって事になるだろ?」
「?」
(それは何かニュアンスが違う気もするけど…)
「こーんな可愛い名前ちゃんを相手に何にもせずに……何年もっ!!俺だったら有り得ないね!」
「………はあ?」
「だいたい…オメーら幼なじみよりも、何年も後に出会ったはずの名前ちゃんと俺が、こーんなに仲良くラブラブしてるってーのに、オメーは悔しくねーのかよ」
快斗は、そう言いながら名前の腰に手まわすと、コナンに見せつけるように抱き寄せる。
「ちょ……快斗?」
(ラブラブって、新一相手にあんまりそういう事は言わないでほしいんだけど……)
「だーから、名探偵も好きなら好きって早く言えば……」
「おい、オメー……」
ペラペラと話し続ける快斗の言葉を、こなの低い声が遮る。
「!!」
快斗はコナンの低い声を聞いて、ようやくコナンが纏う不機嫌オーラに気がついて口をつぐむ。
「お前に言いたい事が2つある」
「な……何だよ?」
「……………。」
(あーあ、新一ったらすごい不機嫌じゃない…)
名前は、不機嫌なオーラを漂わせる新一の姿にため息をつくと、我関せずと言ったように黙り込んで2人を見守った。