「探偵甲子園」編
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「む…無能やとぉ!?」
「確かに、あれはいただけなかった」
時津の言葉に食ってかかりそうな平次を尻目に、白馬が口を開く。
「あん?」
「この部屋の扉のノブに血が着いているのを発見したあと、血気に逸って扉を破り中に突入したあの一件さ…」
眉を寄せる平次に、白馬はいつもの笑みを消して真剣な表情になって言葉を続ける。
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「……あの場合、まずは窓の外から部屋の中の状況を把握してから扉を破るか、窓ガラスを割って入るかを決めるべき。もしも槌尾さんが扉に寄り掛かって亡くなっていたなら、扉を破った時点で死体もその周辺に残された証拠も消し飛んでしまうからね」
「なっ…ア、アホ!あん時はやなぁ…」
「……誰よりも先に現場に入りたかった故の勇み足」
白馬の言葉に反論しようとする平次の言葉を遮って、時津が口を開く。
「……"探偵失格″っていうんじゃないかなぁ、そういうの」
「なっ……!!」
時津の言葉に、平次は思いっきり顔をしかめる。
「…凄い言われようね。」
(まぁ……白馬君も時津君も、言ってる事は間違ってはいないんだけど。でも……ねぇ)
「ああ。」
(さすがに、あの言われようは色黒探偵が可哀相に見えるけどなぁ…)
名前と快斗は、苦笑いしながら平次と白馬のやり取りを見つめている。
「何やとコラぁっ!!」
そんな名前達の視線の先で、平次は鬼の形相で時津に詰め寄る。
「失格なんかじゃないよ!」
「…………。」
(工藤……!!)
そんな中、ふいに足元から響いたコナンの台詞に、平次は自分を庇ってくれるのだとパッと笑顔になる。
「平次兄ちゃんは、ちょっと血の気が多いだけだって!!」
「…………。」
(この野郎、フォローになってないやんか…。)
しかし笑顔のコナンの口から放たれた言葉に、平次は落胆して肩を落とす。
「とにかく、これから2階の小生の部屋を密室にしてくるから。夕食でも食べながら、待っててくれないかい?」
時津は、怒りに満ちた平次を尻目に平然とそう言いながら、自分の部屋に向かおうと平次が壊した扉に向かう。
「多分…1時間程度かかると思うから」
「……い、1時間やと?」
「なるほど?甲谷さんが、私達をそれぞれの部屋に案内し終えてから、この密室で縛られて見つかるまでの時間も丁度そのくらいだったかしら?」
「ふーん、それだけ手間のかかるトリックなんだね?」
七槻は名前の言葉に納得しながら頷いて、時津にそう尋ねる。
「……ま、そういう事かな」
時津は七槻の問いに、小さく笑って曖昧に言葉を返した。