「探偵甲子園」編
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「探偵甲子園……第一問!この密室の謎を解き明かせ!」
「甲谷さん…?」
突然の甲谷の言葉に、名前は不思議そうに首を傾げるが、甲谷は構わず言葉を続ける。
card.467
「解けた者は、その推理を書面にして速やかに私の元へ。その推理が真実なら、その者が2回戦進出。及びこの島からの脱出を認める」
「……ほー、つまり戦いはもう始まってたっちゅうわけか!」
平次は甲谷の説明を聞いて、ワクワクしたように表情を緩める。
「そうなると、どこかに隠しカメラでもあるってわけか?全然気付かなかったぜ」
「そうなるわね。これが一回戦になるなら、明日番組スタッフが来るっていうのも嘘だったわけね」
平次の言葉に続いて、快斗と名前も苦笑しながら呟く。
「でも意外だなぁ…」
そんな名前達の会話を尻目に、七槻がチラリと槌尾を見ながら口を開く。
「ボクはてっきり、このオジサンが偽のディレクターだと見破るのが、1回戦って思ってたんだけど?」
「え゙っ!?な、何を言ってるんだい?」
突然の七槻の言葉に、槌尾の顔はみるみる青くなっていく。
「…………。」
(何か変な奴だとは思ってたけど、偽物なのか?こいつ)
槌尾の行動にどこか違和感を覚えていた快斗は、七槻の言葉に内心納得しつつ黙ったまま槌尾を眺めていると、隣にいる名前がクスクスと笑いながら口を開く。
「ふふ……今更誤魔化しても無駄だと思うわよ」
「え゙っ!?」
名前の言葉に槌尾は目を丸くするが、平次がチラリと時津に視線を向けながら、名前に続いて言葉を続ける。
「……あいつが言うてた"てっぺん越してしもたんやなぁ″っちゅうんは、撮影が手間取うて午前0時を回ってしもて大変やなぁ、っちゅう意味で」
「七槻さんが言ってた、"これわらってくれる″って言うのは、狭いからこの荷物をどけてくれっていう……業界用語」
平次に続いて、名前が七槻と顔を見合わせて微笑み合いながら槌尾にそう告げる。
「……なるほどね。駆け出しのADじゃあるめーし、そんな業界用語を知らねーディレクターなんかいねーってわけか」
「…………。」
名前と平次の言葉を聞いて、快斗は納得したように呟きながら槌尾にジト目を向ける。探偵達の視線が自分に向けられた槌尾は、困ったように視線をさ迷わせる。
「………それにさー」
そんな槌尾に向かって、コナンが追い打ちをかけるように、どこかわざとらしい無邪気な口調で声をかける。
「オジサンが着てる日売テレビのスタッフジャンパーのマーク…目玉の渦巻きが逆さまだよ!!」
「!?」
「本物は、時計まわりにグルグル回ってるもん。だから、みんなオジサンが偽物って分かってカマかけたってわけさ!」
「…………………。」
小学生のコナンにまで偽物だと言い当てられて、槌尾は眉を寄せて黙り込む。
--あら、あのジャンパー……--
--どうした…?--
(なるほど。あの時の名前ちゃんの言葉は、それを意味してたわけか)
快斗はコナンの説明を聞いて、船に乗る前のやり取りを思い出す。
「…………。」
(…っていうか、この偽物ディレクターの正体に気付いてなかったのって俺だけか?)
そして快斗は、自分の周りに立つ探偵の面々を見渡して小さくため息をついた。