「探偵甲子園」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「………。」
「………ふふ、そんなに私と快斗が付き合ってるのが可笑しい?」
黙ったままの白馬を見て、名前は僅かに困ったように尋ねる。
「いえ……まぁ、ただ意外な組み合わせだというのが正直な感想ですね」
card.462
「そうかな?今のところは、意外と喧嘩もなく案外うまくいってるんだけどね」
「そうですか……それは良い事ですね」
「ふふ…ありがとう」
(白馬君も、快斗なみのポーカーフェイスというか……笑顔の奥で何を考えてるのか読めないわね)
ニッコリと笑顔を見せる白馬の表情からは、何を考えているのかが読み取れないため、名前も当たり障りのない言葉を返す。
「ところで、名前さん」
そんな中、白馬は笑みを絶やさないままふいに声色を僅かに低くして口を開く。
「……何かしら?」
名前も、白馬のそんな変化に気がつきつつも穏やかな笑みを浮かべたまま首を傾げる。
「あのヘリから飛び降りた日、彼とは何か話したんですか?」
「…彼っていうと、あの怪盗の彼の事かしら?」
(ふぅ……やっぱり来るわよね。この話題)
白馬が言わんとしている事が、黄昏の館での帰りにヘリコプターから怪盗キッド扮する小五郎と共に飛び降りた時の事だと分かっていても、名前はあえてそう尋ね返す。
「ええ……あの日は非常に興味深いものが見れましたので、ずっと気になっていたんです」
穏やかな笑みを浮かべながらも、白馬の視線はその台詞とともに僅かに鋭くなる。
「あら……そんなに興味深いものだったかしら?あの時、あの怪盗の彼が飛び降りてくれなかったら…私は今ここにいないと思うんだけど」
名前は真っすぐ自分に向けられた鋭い視線を感じながらも、小さく首を傾げて不思議そうに言葉を返す。
「ええ…それは分かっています。あの怪盗は、犯罪者でありながらも…情に厚いような面もありますからね。あの場面であれば、彼は当然飛び降りるでしょう」
「だったら、何もおかしくないじゃない?」
(快斗ったら、白馬君にしっかり怪盗キッドの性格を把握されちゃってるじゃない。大丈夫なのかしら?)
名前は、白馬の言葉に心の中でため息をつきながら言葉を返す。
「僕にはあの時の彼が"正義感″というよりも……"個人的衝動″で動いたように見えたものですから」
「………個人的衝動?」
「ええ。もっと分かりやすく言うならば、彼は確実にあなたのために″飛び降りたんだと、僕は思っています」
白馬は"ニッコリ"という効果音がつくのではないかと思うくらいの、隙のない笑顔を名前に向けながらそう告げた。