「黄昏の館」編
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case.46
「…晩餐の仕度が整いましたので、皆様どうぞ食堂へ」
メイドに声をかけられて、それまで自由にビリヤードやトランプをして時間を潰していた一同は、ゾロゾロと広間から食堂に移動する。
そんな中、ゲームに使っていたトランプにも血痕がついていたの発見してしまった蘭は、げっそりしていて「食欲がない」と小さく呟きながら肩を落とした。
「蘭は相変わらずだが、名前は大丈夫か?」
食堂に向かう最中、蘭の愚痴を聞いていた小五郎が思い出したように名前にも声をかける。
「あ、うん…大丈夫です」
「お前も大概怖がりだからな、怖いなら無理するなよ」
「ありがとう…おじさん」
小五郎はくしゃりと名前の頭を撫でて、再び前を歩く蘭にも声をかけた。
食堂に入ると、既にマントをすっぽりと被って顔の見えない"館の主人"が食堂の一番奥に座っており、その他の招待客の席順も指定されていた。
「さ、名前さんどうぞ」
名前の席は白馬の隣だったため、白馬がスッと椅子を引いて名前をエスコートする。
「白馬君ありがとう」
名前もニコリと微笑みながら、促された席につく。
(…ちょっと変わってるけど、白馬君優しいし良い人みたいね)
全員が指定された席につくと、待っていたかのように館の主人が語りはじめる。
「君達を招いたのは、私がこの館のある場所に眠らせた財宝を捜し当てて欲しいからだ。私が長年かけて手に入れた巨万の富を……君たちの命をかけてね」
「い、命だと!?」
「命…」
名前はその物騒な台詞に眉を寄せて主人を睨むが、それと同時にドォォン!!という爆発音が館全体に響き渡る。
慌てる一同を尻目に、館の主人がサラリとここにいる全員の車を爆発させたのだ事を告げる。
つまり交通手段、連絡手段が断たれてしまい誰かが財宝を見つけるまでは、この館から脱出する事が出来ないという事らしい。
「気に入ってもらえましたかな?」
「てめー!!自分だけ面を隠して好き勝手言うんじゃねーぞ!」
悪びれる様子もなくそう言葉を締めくくる主人のマントを、一方的な物言いをされて興奮した茂木がバサリと無理矢理剥ぎ取る。しかし、外されたマントの下から現れた館の主人の身体は、マネキンの首にスピーカーがついた、ただの人形だった。