「探偵甲子園」編
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「さっきから、何を気にしてるんだよ?」
コナンの問いに、平次は何かに迷うように視線をさ迷わせた後に、ゆっくりと口を開いた。
card.458
「俺はなー、工藤」
「?」
「名前の事は、妹みたいに思っとんねん」
「……はあ?」
突然の平次の言葉に、コナンは思わず目を丸くする。
「オメーなぁ…オメーと名前だったら、どっちかって言ったらオメーが弟だろ?」
「………やかましいわ」
コナンの言葉に、平次は自分でも自覚していたのか、どこか恥ずかしそうに頬を染めながらジト目を向ける。そして、コホンと小さく咳ばらいして言葉を続ける。
「………せやけど、今日は船から降りる時も…あいつの怖がりそうなこのロッジに着いた時も、当たり前のように黒羽が名前に声かけてたやろ?」
--ほら、名前ちゃん!危ねーから俺に掴まって--
--名前、オメー怖くねーか?--
「…………良い事じゃねーか?そんな気遣いも出来ねぇような野郎に、名前を任せられないだろ」
「工藤は悔しくないんか!?」
平次の言葉に不思議そうに首を傾げるコナンに、平次がグッと身を乗り出すようにして距離をつめる。
「何が悔しいんだよ?」
「普段大人びとっても、意外とどっか抜けとる名前の事をフォローが出来るんは、工藤か俺やと思ってたんや。それを、ひょっと出てきたよう知らん男にとられてもーて……」
「…………。」
(つまり何だ?妹みたいに思ってた名前を、黒羽に盗られたっていうただの嫉妬か)
平次がポツポツと話すのを、コナンは半ば呆れたような視線を向けながら聞いている。
「……"名前っていう奴が、関西(こっち)に引っ越してくるから、大阪での名前の事はオメーに頼む″……って、お前に電話で頼まれて。偶然を装って事件現場で名前と会って以来、もう4~5年の仲やぞ?なんや、娘を嫁にやった親の気分や……」
「……オメーの気持ちはどうでも良いけど、それ名前には言うなよ」
(いつの間にか、兄から親父に昇格してやがる)
コナンは、しみじみと思い出を語る平次に苦笑しながら言葉を返す。
「俺と名前が会ったんは、偶然やなくてお前の差し金やって…まだ言ってないんか?」
「………まぁな。別に、今さらそんな昔の事をわざわざ言わなくて良いだろ」
「お前も相変わらず……昔から名前には過保護やなー」
平次は、楽しそうにニヤリと笑いながらコナンを見る。
「うるせー」
「せやけど、勘の良い名前の事やから何となく勘づいてはいそうやけど………」
---コンコン、
「…ん?」
「誰や……」
平次の呟きを遮るように、ふいに室内にノックの音が響く。コナンと平次は、会話を一旦切り上げて扉の方に目をうつす。
--ガチャ
「失礼します…夕飯の支度が出来ました。ダイニングの方へどうぞ」
開いた扉の入口には甲谷が立っており、夕飯の準備が出来た事を平次達に伝える。甲谷の後ろには、既に甲谷に呼ばれ連れられてきた時津・白馬・名前・快斗の姿があった。