「探偵甲子園」編
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「………ふぅ」
「…………。」
平次は自分を落ち着かせるように小さく息をつくと、椅子に座り直してから口を開く。
「まず……第一にや、何で黒羽が工藤の正体知ってるんや?」
card.457
「……あー、」
(確かに、それは聞いてくるよなぁ…当然。だけど、さすがに勝手にキッドの事情を話すわけにはいかねーから、そうなると説明がつかねーな)
コナンは、平次の問いに困ったように視線をさ迷わせながら頭を掻く。
「まぁ……何だ、黒羽には教えたと言うよりも…いつの間にかバレてたって言うのが一番近ぇ感じで……」
「お前っ!?こないな大事な事が、いつの間にかバレてたって大丈夫なんか!?」
平次は、コナンの思いがけない返事にギョッと目を見開く。
「あー、いや。ま、心配すんな!確かに黒羽には俺の正体は知られちまったけど、あいつは変な野郎だけど……悪ぃ奴じゃねーんだ」
(自分で言っておいてアレだが、こんな事言うと…あいつの事を認めてるみてーで癪だな)
コナンは、快斗の顔が脳裏に浮かび僅かに眉を寄せながらも、所々言葉を濁して平次の質問に答える。
「そりゃー……俺かて、名前が選んだ相手なんやし?悪い奴やないんだろうな…とは思ってるで?もしかして、名前が工藤の事を話したんか?」
珍しく歯切れの悪いコナンの言葉や態度に、平次はどこか納得出来ないように眉を寄せながら言葉を返す。
「いや……名前は、そういう事は簡単に言うような奴じゃねーよ」
「ま……そらそやな」
平次はコナンの言葉に、名前の性格を思い出して納得したように頷く。
「第一……あいつ、黒羽は…俺の正体を知ってるだけで、組織の事なんかの詳しい事情は知らねー」
「………そうなんか?」
(工藤の事知ってるんやったら…当然、黒ずくめの奴らの事も知ってるもんやと思ったわ……)
平次は、コナンの言葉に意外そうに目を見開く。
「ああ…名前が、あいつを組織の事に巻き込む事は良しと思ってねーからな。ま、名前自身もどこまでを黒羽に話すか……まだ迷ってるみてーだがな」
「なんや、名前の奴…そんなにあいつに惚れてるんか?」
「そりゃ…あいつら見てたら、うんざりするくらい身に染みるぜ」
平次の問いに、コナンは名前と快斗と共に関わった事件ややり取りを思い返して、わざとらしく肩をすくめながらため息と共に返す。
「そうなん?俺は、どっちかって言うと黒羽の方が名前を気にしてるように見えたんやけど………はぁ」
平次はそこまで呟くと、何かを思い出したように言葉を切って深々とため息をつく。
「辛気くせーな、何だよ?」
コナンは、そんな平次の態度に不思議そうに首を傾げた。