「探偵甲子園」編
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「ねぇ、それより早く部屋に案内してくれないかなぁ?立ち疲れちゃって」
白馬達が"東の高校生探偵″の話で盛り上がる中、七槻が呆れたように声をあげる。
「あと、小生夕食希望!」
そんな七槻の意見に同意見だったのか、時津も七槻の後ろからポツリと呟いた。
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「ああ、そうだね。早速部屋に案内するとしよう」
2人の言葉に槌尾は小さく頷きながら、チラリと台所に目を向けて言葉を続ける。
「夕食は今、台所で甲谷さんが作っているから出来たら呼びに行ってもらうよ!あ…それと、明日の録りの君達の服装をチェックしておきたいから、夕食には電話で話しておいた"探偵甲子園っぽい格好″でよろしくね!」
「はーい。それで、僕達の部屋は?」
名前達を見渡しながら告げた槌尾の言葉に、七槻が一番に反応して小さく返事を返すと、部屋に移動するために荷物を肩にかける。
「ああ。今、説明するよ!えーと、時津君の部屋は廊下の奥で…その隣が白馬君だね」
槌尾はガサガサと資料のようなものを取り出して、それぞれの部屋を読み上げていく。
「……それと、今日はコナン君と黒羽君が参加した関係で人数が増えたから部屋割を少し変えたいんだ。急な変更で申し訳ないんだけど、名字さんと七槻さんは同じ部屋でも構わないかな?」
「ああ……僕は構わないよ」
「私も……」
「はあ?」
槌尾が七槻と名前を見ながらそう尋ねると、七槻と名前は特に迷う様子もなく頷きかけるが、その言葉を快斗の気の抜けたような声が遮る。
「いやいやいや……おっさん!!何で名前ちゃんが、こいつと同じ部屋なんだよ!?」
「いや、何でって言われても状況的に考えれば…」
「はぁ?"状況的″に考えて、何でこいつと名前ちゃんになるんだよ?」
「ちょっと快斗、こいつなんて言ったら七槻さんに失礼よ」
槌尾に詰め寄るように尋ねる快斗を、名前が呆れたように制する。
「名前!!オメーも、こいつと同じ部屋なのに何で断らねーんだよ!?」
「え?だって七槻さん…」
「確かに…いくら名前やからって、こいつと同じ部屋っちゅーのはまずいんやないか?それやったら俺の部屋に……」
快斗の質問に答えようとする名前の言葉を遮って、平次がそう呟く。快斗はその言葉にピクリと反応して、名前から平次へと視線をうつす。
「おい、オメーもどさくさに紛れて何を言ってんだ!名前ちゃんを、オメーと同じ部屋になんかするわけねーだろーがっ!!」
「んなっ!?何やねん自分、偉そうに……」
「当たり前だろ?オメー、人の彼女に向かって…よく自分の部屋に来いなんて言えるな!」
「……俺かて、別に変な意味で言ってるんちゃうで?見ず知らずの奴と同じ部屋になるんやったら、知り合いの俺の方がええやろって意味や……」
「馬鹿言ってんじゃねーっ!!名前ちゃんは、俺と同じ部屋以外認めねーからな!!」
「……………。」
当事者の名前や七槻達を尻目に、ムキになって言い合う快斗達を名前が困ったように苦笑しながら見つめていると、ふいに七槻が喉を鳴らすように笑いながら口を開く。
「クックック……じゃあ、彼の言うとおり2人は同じ部屋で良いんじゃない?部屋が足りないわけじゃないんでしょ?」
「あ……ああ。まぁ、"服部君コナン君″と"名字さんと黒羽君″が2人で1部屋で構わないなら…」
「……それで良いかな?」
「ええ……大丈夫です。何だか大騒ぎしてすいません」
槌尾の言葉を聞いて、七槻が名前に気を使うように尋ねるため、名前は小さく頭を下げながら頷く。
「じゃあ…決まりだね。君とはゆっくり話してみたかったけど……君の彼に睨まれそうだから、またの機会にしよう」
「なっ…!?」
七槻はニッコリと微笑んでそう告げると、スタスタと自分の部屋に向かって歩いて行ってしまう。去り際の七槻の言葉を聞いて、快斗は目を見開いてその背中を見送った。