「探偵甲子園」編
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自己紹介で盛り上がる平次や白馬達を、何となく黙ったまま眺めている名前と快斗。
「…………。」
(あんまり名前ちゃんを困らせたくねーけど……今の流れなら聞いても良いかな?)
快斗は、チラリと隣に立つ名前に視線を向けた後に、小さく息をついてから口を開いた。
card.451
「なぁ……名前ちゃん」
「……今度はなーに?」
先程の会話からしばらくの間口をつぐんていたため、ようやく顔に集まっていた熱が冷めてきた名前。再び声をかけられた快斗に、いつものように平然と言葉を返す。
「さっきの続きだけどさ、」
「?」
「"受け継ぐもんは受け継いでる″…って話」
「ええ、それがどうかした?」
どこか言いにくそうにしている快斗の姿に、名前は不思議そうに首を傾げる。
「……名前ちゃんは?」
「……え?」
「名前ちゃんも、何かを受け継いでるんじゃねーの?"両親″から」
「!!」
名前は快斗が静かに尋ねたその問いに、小さく目を見開く。
「…………。」
(最近、家族の話してなかったものね。気を使ってくれてるのね……きっと)
ノアズ・アークの事件の時に少し家族の話に触れて以降、何となく避けているかのように話題に上がらなかった家族の話題。おそらく快斗の方が、気を使って話題に出さないでいてくれたのだろう。今もその話題に触れた事に気まずそうにしている快斗の横顔を見て、名前は困ったように苦笑する。
「何を……私は、何を受け継いでると思うの?」
「……俺は、最近になって名探偵とか色黒探偵とか…急に"探偵″と呼ばれる人間に会う機会が増えたけどさ。今まで俺の周りには…そういう人間は白馬の野郎しかいなくて」
「…………。」
静かな口調で語り出した快斗の話を、名前は黙ったまま聞いている。
「悔しいけど……あいつは"探偵″と呼ばれるだけあって、凄ぇなって思う部分もあるんだよ。だから……正直、あいつみたいな人間が他にもいたって事に驚いてるんだよね…」
「その"白馬君みたいな人間″に……私も含まれてるって事かしら?」
名前は言葉とは裏腹に、ひどく苦々しい表情で白馬の事を話す快斗にクスクスと笑いながら尋ねる。
「そりゃー、あいつらと一緒にこんな企画に呼ばれちゃうわけだから……十分凄ぇと思うぜ?」
快斗は、チラリとコナンや平次達を見ながら答える。
「………自分では、そんなつもりないんだけどな。元々新一達と違って事件に巻き込まれるのも好きじゃないし……」
名前は、ため息をつきながらそう呟くと、コナン達に視線を向けながら言葉を続ける。
「………今まで私が、多少なりとも事件に関わってその事件を解決出来たりしているのは……"優作さんや新一の影響よ″…って、本当だったら言いたいところだけど」
名前はそこまで言って言葉を切ると、大きく1つ息を吐いて快斗に目を向ける。
「……認めたくないけど、受け継いでるんでしょうね…あの人達の娘として」
「…名前」
困ったような微笑みと共に、忌々しそうにそう呟いた名前。その表情に快斗は何と返せば良いか分からず、ただ名前を見つめ返した。