「探偵甲子園」編
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「なるほど…君が"服部平次″君ですか。君の事は、よく父から聞かされているよ。何でも、とても勘の良い探偵だそうで…」
「……あん?」
平次が名前達とコソコソ会話していると、平次の後ろから白馬が笑顔で声をかける。
「何でお前んトコのオトンが、俺の事知っとんねん?」
平次は白馬に向かって不審気な眼差しを向けながら、言葉を返す。
「平次ったら、初対面なのに白馬君に愛想ないわね」
「あんな野郎に愛想よくする必要ねーから、いいんだよ!」
平次の白馬に対する態度を見た名前は、呆れたように小さく呟くが、快斗は相変わらず不服そうな表情で名前に言葉を返す。
「……………。」
(平次といい、快斗といい…白馬君みたいなタイプは苦手なのかしら)
名前は、思いっきり眉を寄せたしかめ顔を白馬に向けている平次と、自分の隣で拗ねたようにそっぽを向いている快斗を見比べて小さくため息をついた。
card.450
「平次兄ちゃんと一緒だよ!」
「一緒やと?」
「だよね?白馬の兄ちゃん!」
平次が白馬に向かって尋ねた問いに、平次の足元でコナンが笑顔で口を開く。
「ああ…僕の父は警視総監。奇しくも大阪府警本部長の父を持つ君とは、よく似た境遇だというわけですよ」
「ほぉー」
笑顔でコナンに告げた白馬の答えに、平次は僅かに眉を寄せたまま納得したように頷く。
「へぇ……色黒探偵の親父って、大阪府警本部長なのかよ」
壁に寄り掛かり腕を組みながら、快斗は感心したように呟く。
「ええ…同じように白馬君のお父さんも警視総監だし、新一のところは大物推理小説家に伝説の女優だものね」
(よく考えてみれば……凄い人達の子供ばかりね、私の周りは)
名前も快斗の言葉に小さく頷きながら、改めて自分の友人達のルーツを思い返して快斗に言葉を返す。
「なるほどねぇ。みんな受け継ぐもんは、しっかり受け継いでるわけだ」
「あら、それを言うなら快斗だってその1人じゃない?」
他人事のように呟く快斗に、名前が苦笑しながら返す。
「…まぁ、そう言われればそうなるのかねー」
「ふふ……まぁ、私は快斗の場合はちゃんと"努力″してる面も大きいと思ってるけどね」
「え?」
「あら…だって、よく奇術の練習してるじゃない?」
名前は不思議そうに首を傾げる快斗に、平然とそう告げる。
「えっ……なっ…いつ、それを…?」
(俺、名前ちゃんの前で練習なんてしてねぇと思うけど……)
快斗は思いもがけない名前の言葉に、僅かに目を見開く。
「ふふ……私は、多分快斗が思ってるよりも快斗の事よく見てるからね」
「!!」
「………そういう快斗の隠れた努力を、全て理解出来ているとは思わないけど。快斗が頑張ってるのもよく知ってるつもりだし……私は奇術師としての快斗にとって、1番の観客になりたいとも思ってるわよ」
名前は何でもない事のように微笑みながらそう告げると、再びガヤガヤと会話している平次達に視線を戻す。
快斗は名前の言葉に目を見開くと、口元に手をあてながら名前から視線を逸らし顔を横に向ける。
(こいつは……本当、いつも前触れもなく突然こういう事を言いやがるから……)
快斗は、顔に集まる熱を誤魔化すように小さく頭を掻きながら息を吐く。
--快斗の場合は、ちゃんと努力してる面も大きいと思ってるけどね--
--1番の観客になりたいとも思ってるわよ--
--……私は、快斗の事よく見てるからね--
「…………。」
(やべェ……なんか、普通に好きだとか言われるよりも、すげぇ嬉しいかも)
快斗は名前の言葉を思い返して自然とニヤけそうに口元に力を込めながら、コナン達を見ている名前の方に視線を戻す。
「……名前ちゃん」
「なーに?」
「俺、やっぱり名前ちゃんの事すげぇ好きだわ」
「え、」
名前は周りに聞こえないような小さな声で突然呟かれた快斗の言葉に、目を見開いて快斗に視線を向ける。
「……………。」
そして黙ったまましばらく快斗を見つめた後に、照れたように僅かに頬を染めながら優しく微笑んで口を開く。
「…………私もよ」
名前は恥ずかしそうに消え入りそうな声でそれだけ告げると、赤く染まった頬を誤魔化すようにふいっと視線をコナン達に戻した。