「探偵甲子園」編
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「なぁ、名前ちゃん!」
名前がディレクターに感じた違和感を快斗に話そうとしたタイミングで、和葉と蘭がニヤニヤしながら声をかけてくる。
「…………。」
(なんか…この感じ、俺いねぇ方が良さそうだな…)
蘭達の様子に、女同士の話があるのだろうと感じた快斗は会話を切り上げて、そっと名前から離れた。
card.441
「どうしたの、和葉ちゃん?」
名前は気を効かせて離れて行った快斗を感謝しながら見送った後に、くるりと振り返って首を傾げる。
「彼、黒羽君やっけ?普段から名前ちゃんの部屋とかに遊びに来てんの?」
「そうね、割とよく来てるかなぁ」
ニヤニヤしている和葉に、名前は首を傾げながらもそう答える。
「も…もしかして、泊まったりとかも?」
和葉に続いて、僅かに頬を染めた蘭が戸惑いがちに名前に尋ねる。
「うん。疲れてそのまま帰らず……って日もあったかな。たまにだけどね?」
「「……やっぱり!!」」
名前が小さく頷きながらも肯定すると、和葉と蘭はバッと顔を見合わせた後に名前の肩をバシバシと叩く。
「…え、何?」
「さっきの黒羽君とのやり取りを聞いて、そんな気がしてたけど……名前ちゃんは、うちらの知らん間にすっかりもう大人の女性なんやね!」
「え?さっきのやり取りって…」
「でも園子にはあんな簡単に言わない方が良いと思うよ?きっと大騒ぎだから…」
「園子に何を……?」
和葉と蘭の言葉の意味が分からずに、名前は不思議そうに首を傾げる。
「もぉーっ!!今更とぼけたってあかんよ?彼氏が部屋に泊まるなんて……」
「おーい!!君達、この船だよ!!早く来てくれ!!」
和葉の言葉を遮るように、槌尾が小さな船のそばでブンブンと手招きしながら、名前達を大声で呼ぶ。
「なんや……ゆっくり名前ちゃんと話す時間もないねんな…」
「仕方ないよ。また島から戻って来たら話聞こう」
「何だかごめんね、2人とも。みんなで一緒に島まで行けないのは残念だけど…」
名前も久しぶりに会った和葉とゆっくり喋る時間もなく、残念そうに小さく肩を落とす。
「まぁ…さっきの話の続きは帰って来たら、ゆっくり聞かせてもらうで?」
「うんうん!!私も気になる!」
「?」
(さっきから、この2人は一体何の話を……?)
普段は鋭い名前ではあるが、こういう方面の話はスッカリ鈍い。また、実際には和葉達が思うような事はなく意外にも清い関係を保っている名前は、ニヤニヤ笑う和葉達の言葉に全く心あたりがなく終始首を傾げている。
「でも良かったやん!!優しい彼氏で!!彼女の心配して、こんな企画に着いて来てくれるなんて羨ましいわー」
「そうでしょ?私も黒羽君って優しいなーって、前から思ってたの!!前に、名前が怪我したって話聞いたでしょ?その時なんてね…」
蘭と和葉が快斗の話で盛り上がり始めたため、名前は気まずさから曖昧に微笑むと、少しずつ歩くスピードを速めて槌尾達が待つ船へと向かった。