「探偵甲子園」編
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「おぉ……でけぇ船、」
「本当……あそこに立ってる人が、日売TVのスタッフの方かしら?」
しばらく歩くと豪華客船とも呼べる大きな船が視界に入る。その側には、1人の男が腕時計を見ながら立っている。
「なんかスタッフっぽいジャンパー着てるし、そうかもしれねーな」
(名前ちゃん……もう普通に喋ってる……機嫌の悪さを長々引きずらねーから優しいよなぁ…)
隣で普通に快斗と会話しながら船を見上げる名前を見て、快斗は小さく微笑む。
「………。」
(でも……そう考えると、名前ちゃんにしては珍しくこの間の名探偵との喧嘩は長引いてたよな。何が理由だったんだか……何か気になるよなぁ、やっぱり……)
快斗は、名前の横顔からチラリと前を歩くコナンの背中に視線を移して小さく首を傾げた。
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「遅いじゃないか服部君……困るなぁ、時間通りに来てくれなきゃ!こっちは分刻みで動いてんだから!」
船の側まで行ってみると、ジャンパーを着たスタッフが腕時計を見ながら眉を寄せて呟く。そのスタッフは、"日売TVディレクターの槌尾広生″と名乗った。
「すんませんなぁ。ちょっと道を間違うてしもて……」
「まぁ、とにかく島に行こう!他のみんなは、もう船に乗ってるから……」
「じゃ…じゃあ!新一も来てるんですか!?」
「工藤新一!!東の高校生探偵や!」
「………新一?」
槌尾に向かって蘭と和葉が尋ねる質問を聞いた名前は、不思議そうに首を傾げながら、自分の足元に立つ"工藤新一″であるコナンに向けて小声で声をかける。
「ねぇ新一…蘭達、何言ってるの?」
「あぁ……服部が"西の高校生探偵″代表として呼ばれたから、"東の代表″として俺が来るんじゃねーかって騒いでんだ」
「どう考えても"工藤新一″が……来れるわけないじゃない?」
「それを知ってて楽しんでんだよ…あの馬鹿は」
コナンは、名前の言葉にため息をつきながら、ニヤニヤと笑っている平次に目を向ける。
「なぁ……あの色黒探偵が"西の探偵″って、名前ちゃんはどういう名目で呼ばれたんだよ?」
名前とコナンの会話を聞いていた快斗は、ふと思いついたようにコナンに尋ねる。
「さぁな…コイツは引っ越したりしてあっちこっちで事件解決してっから、イレギュラーなんじゃねーか?」
「………なんか、本当に適当じゃない?この企画」
名前は、話の節々に垣間見える企画のずさんさに首を傾げながら、蘭と和葉に「工藤新一とは連絡が取れなかったんだ」と、言葉を返している槌尾を見つめた。