「探偵甲子園」編
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「なぁなぁ、名前ちゃん!これが噂の黒羽君!?」
「噂のって……」
「初めまして!うちは遠山和葉。で……こっちは服部平次!!うちら、中学の頃に名前ちゃんの近くの学校やったの!」
名前達と合流した平次と和葉だったが、和葉は合流して早々に名前の隣の快斗に詰め寄るように声をかける。
「……おー、よろしく」
快斗はそんな和葉の勢いに目を丸くしながらも、ヘラリと笑って言葉を返した。
card.438
「この間、大阪で名前ちゃんから相談という名の"盛大な惚気″を聞かされてから、ずーっとどうなったか気になってたんよ!!無事に付き合えたんやね!!」
「「……………。」」
(この間の大阪って……エッグの事件の時か?こいつら事件の最中に何を呑気に話してたんだ)
テンションの高い和葉の言葉を、平次とコナンは呆れたように聞いている。
「確かに、あの時の相談は…今思えば半分惚気だったわね」
そんなコナン達を尻目に、蘭は和葉の言葉に小さく苦笑しながらも頷いて同意する。
「私……結構、真剣に悩んでたつもりだったんだけど…」
名前は和葉達の言葉に、大阪でお好み焼きを食べながら蘭や和葉や園子に相談した時の事を思い出して不満そうに小さく呟く。
「おい!お前ら!!そろそろ待ち合わせ場所に行かねーと間に合わねーんじゃねーのか?」
キャッキャッと楽しそうに話す名前達に、呆れたように小五郎が尋ねる。
「あ、そうよね……平次、待ち合わせ場所って?」
名前は、小五郎の言葉に慌てたように頷くと、コナンと何やらコソコソと会話をしている平次に声をかける。
「ん?あぁ…何や大きい船の前でって事やったけど…とにかく行ってみよか?」
平次はぐるりと辺りを見渡しながらそう呟くと、荷物を手にスタスタと足を進める。
「……大きい船?」
(日売TVの企画の割に…なんか雑な説明ね)
名前は平次の言葉に小さく首を傾げながらも、歩き始めた平次達の後に続いた。
「名前ちゃーん」
平次や蘭達の少し後ろを歩く名前の横に快斗がスッ並ぶと、ニヤニヤと笑いながら声をかけてくる。
「……何よ?変な顔して」
「大阪で、あの子達に何て相談したの?」
「え…?」
「"盛大な惚気″って、俺凄い気になるんだけど?」
「…………。」
(そういえば……和葉達、快斗の目の前でとんでもない事を…)
名前は快斗の楽しそうな笑みを見ながら、何と答えるべきか小さくため息をつく。
「大阪って、メモリーズ・エッグのあの時だろ?今考えると懐かしいよなー。名前ちゃんってば、必死に俺(キッド)の事を追い掛けて来てくれてたし…嬉しかったなぁー」
「………。」
(そういえば、あの時は必死で気にしてなかったけど…あの頃の快斗って結構……)
空を見上げながら懐かしそうに呟く快斗を見て、名前は何かを思い出したように更にもう1度ため息をつく。
「名前ちゃん?」
「快斗の中では、随分いい思い出みたいだけど……あの時、どれだか私が心配したと思ってるの?」
「え…」
名前のため息に不思議そうに首を傾げていた快斗だったが、ポツリと冷たく呟く名前の態度に目を丸くして名前を見つめる。
「学校で思わせぶりな事を言ったと思えば、大事な事は秘密のままだし?そうかと思えば、突然撃たれて行方不明のまま……事件が解決するまで連絡1つしてくれないし」
名前は大阪での一件を思い出して、あの時本人に言えなかった不満がフツフツと沸いて来るのを抑え切れない。
「……………。」
「そんな相手なんだもん、相談くらいしないとやっていけないわよ!」
「や……名前ちゃん、それは……ごめんって」
(やっべー、名前ちゃんってば……いつも変な所で怒りのスイッチが入るんだもんなぁ…)
快斗はどこか刺のある名前の言葉に、焦ったように声をかける。
「別にー?すっごく心配して快斗を追い掛けてた人の気も知らずに、悪気もなさそうにニヤニヤしてる快斗の事なんか怒ってないわよ」
「ちょっと、名前ちゃーん…」
早口でそう告げて、前を歩く平次達を追い掛けるように歩みを速める名前。快斗はその背中に向かって焦ったように声をかけるのだった。