「探偵甲子園」編
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「そうねぇ……」
灰原は名前の質問に、何かを考えるように視線を下に下げる。
「……………。」
名前は、そんな灰原の姿をジッと見つめて答えを待った。
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「私は…どちらでも構わないかしら」
「え?」
ポツリと呟かれた灰原の言葉に、名前は思わず首を傾げる。
「………話すか、話さないか。それは、名前に任せるわ。組織だけの事を話すのか、私達の経緯全てを1から話すのかもね」
灰原はサラッとそう告げると、珈琲に口をつける。
「…………良いの?」
「ええ…あなたの彼、だいぶふざけた人だけど。真面目な時はちゃんと真面目な人みたいだし。何より犯罪者ではあるけど、あなたが選んだ人だもの。私は……割と信頼してるわよ。"黒羽快斗″という人間を」
「……哀がそんな事を言ったなんて知ったら、快斗…喜んで大泣きしそうね」
名前は灰原の思いがけない言葉に、目を真ん丸くして灰原を見つめながら呟く。
「そんな事になるのは非常に面倒だから…今の話は言ったら許さないわよ」
灰原は名前の言葉を聞いて歓喜の涙を流す快斗の姿の想像がついて、ため息をつきながらジト目を名前に向ける。
「ふふ……でも、そうなってくると……やっぱり私が決めるしかないのね」
名前は可笑しそうに笑いながらも、ため息混じりに小さく呟く。
「ま……よく考えなさい。彼を想って巻き込まないために遠ざけるのも、別に反対はしないけど…」
「……何?」
そう言いながらも、何か言いたそうな灰原に名前は首を傾げる。
「………別に?ただ、自分の大切な人に何か大切な事を隠されていた事を、後から知るのも辛いものだと思うわよ」
「…………。」
「特にあなたの彼なんて……あなたに何か隠されていたなんて事を知ったら、黙ってなさそうじゃない?あなたに危険が及ぶような内容であれば余計に」
「……………。」
「大好きみたいだものね?あなたの事……本当に」
灰原は、小さく笑って名前を見つめる。
「馬鹿ね、こんな時にからかわないでよ…」
名前は、そんな灰原の視線と言葉に僅かに頬を染めると、それを誤魔化すように顔をしかめて言葉を返す。
「ふふ……ま、工藤君が今日ここに来なくても、近いうちにゆっくり話す時間はあるから安心しなさい」
「?」
小さく笑いながら告げる灰原の言葉に、名前は意味が分からずに小さく首を傾げる。
「そのうちあなたも誘われると思うわよ?」
「何に?」
「あの大阪の探偵さんと工藤君、今度おかしな企画に参加するみたいで…あなたも誘うって言ってたわよ」
灰原は二人のやりとりを思い出しているのか小さくため息をつきながらそう告げるが、名前はますます首を傾げる。
「平次と新一が?全然聞いてないんだけど。それ、なんていう企画なの?」
「………確か、」
名前の問いに、灰原は顎に手を当てて記憶を探るように天井を見上げながら、ゆるりと口を開いた。