「探偵甲子園」編
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「あなた、さっきから目障りよ」
「哀……たまには、気を使って優しく声かけたり出来ないの?」
灰原は思い詰めたように頭を抱えている名前をチラリ見て、冷たくそう言い放った。
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「あら…あなたがこの家に来てから、1時間近く目の前でそんな風に思い詰めたような雰囲気漂わせられる、私の身にもなってほしいわ」
灰原は、パラパラとファッション雑誌をめくりながら小さくため息をついた。
「だったら、話くらい聞いてくれたって良いんじゃない?」
「何かを話したい人間は、聞かれなくても自分からペラペラ話し出すものよ…」
「…………ハァ」
名前は、平然と告げる灰原の言葉にため息をつく。
「だいたい…新一はいつになったら来るのよ」
名前は気まずさからか何となく灰原から視線を逸らして、チラリと時計に目を向ける。
「……今日、工藤君と約束してるの?」
「……してないけど」
「本当…何しに来たのよ?あなた」
名前の答えに心底呆れたように雑誌を閉じて、灰原は腕を組んで名前を見つめる。
「…ちょっと話しをしようかと思って。……新一、割と博士の家に来る事多いじゃない?」
「約束も取り付けずに来るなんて……どうせ、本当は話したくない気持ちもあるんでしょ?」
「…………。」
名前は、灰原の言葉に反論出来ずに口ごもる。
「工藤君と今度は何を話したかは知らないけど……きちんと答えが出てから口にしなきゃ、後悔するのは自分だと思うわよ?」
「まぁ……そうよね」
名前は、ため息をつきながら苦笑する。
「ふふ……あなあと工藤君が気まずくなる話題なんて……また"彼″絡みかしら?」
「…残念ながら、その彼に加えて…あなたも関係してるのよ」
「……あら、私も?」
名前の言葉に、灰原は意外そうに目を丸くしながら言葉を続ける。
「じゃあ工藤君……やっぱり気にしてるのね。あなたの彼に、私達の事を話すのかを」
「………哀、新一から聞いてたの?」
名前は納得したように小さく頷く灰原の姿を見て、意外そうに尋ねる。
「まぁね……工藤君って、ああ見えて意外とあなたに自分の気持ちを言うまでに、言おうか言わないかって…ぐずぐず悩んでるのよ」
「そうなの?」
「そうよ。本当、良い歳して過保護にも程があるわよ。それに巻き込まれる私の身にもなってほしいわ」
「そうなんだ……新一の相手いつもお疲れ様。ところで、当事者でもある哀はどう思ってるの?」
大きくため息をつきながら呟く灰原に苦笑しながらも、名前は灰原に視線を合わせてそう尋ねた。