「大海の奇跡」編
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「それで…あの後、名探偵と何か話したのか?」
シャワーを浴びてスッキリした表情でソファ寝転んだ快斗は、名前にチラリと視線を向けて、戸惑いがちに尋ねた。
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「ええ…話したわよ」
名前も、快斗が横たわるソファに腰をおろすと小さく苦笑しながら言葉を返す。
「……普通に?」
「ええ、普通によ…」
名前は、快斗の問いに不思議そうに首を傾げる。
「じゃー、無事に名探偵と仲直りしたって事だよな?」
快斗は安心したように息をつくと、名前の頬にするり触れながら尋ねる。
「ふふ……喧嘩っていうか、ちょっと気まずかっただけだもの。話し始めちゃえば平気よ」
名前は、困ったように笑いながら快斗の癖のある髪を撫でる。
「………じゃあさ、その気まずかった理由って何だったわけ?」
「…え?」
「名前が…喧嘩とか、そういうの珍しいじゃん。オメーら、普段は仲良いみたいだし」
「そうかな…?」
名前は、快斗の言葉に質問に曖昧に笑いながら言葉を濁す。
「…俺にも言えない理由?」
快斗は、なかなか自分の質問に答えようとしない名前に不思議そうに尋ねる。
「………そういうわけじゃないけど。わざわざ言うような大した理由じゃないから…」
「その理由……俺が関係してる?」
快斗は、真っ直ぐ名前に真っ直ぐ視線を合わせてそう尋ねる。
「…………どうして?」
「だってさ、名前ちゃんと名探偵が喧嘩する理由なんて、俺の事が1番可能性ありそうだし?」
快斗は、少し拗ねたように名前から視線を逸らして告げる。
「ふふ…そんな事ないわよ。快斗は何も関係してない」
(……快斗を、余計な事に巻き込みたくない)
名前はコナンとの会話を思い出しながらも、快斗に不審に思われないような自然な笑顔で言葉を返す。
「そうか……なら良かったよ。ちょっと心配してたんだ」
--……オメー、今回の喧嘩に自分が全く関係ねーと思ってんのかよ--
快斗はこないだに聞いた言葉を思い返しながらも、話すつもりのなさそうな名前の意思を組んで何も聞き返さずに、安心したように笑って答える。
「……………。」
(快斗にあんまり嘘はつきたくないけど……快斗は、キッドの事でも十分危ない目に合ってるのに…組織の事にまで巻き込みたくない…)
名前は、そんな快斗の笑顔を見て僅かに罪悪感を感じながらも、ピタリと快斗の髪の毛を撫でていた手を止める。
「…………名前?」
「私…は、快斗の事が……大事だから」
「どうしたんだよ……急に?」
「だから……私の事、信じて」
「………………。」
(名前……)
真剣な表情で話す名前に、快斗は大きく目を見開いた後に、するりと名前の首の後ろに手をまわすと、優しく名前の身体を引き寄せながら自分もそれに合わせて身体を起こす。
「………快……んっ……」
「馬鹿だなあ。何の心配してるのか知らねーけど、俺が……名前ちゃんの事を信じねーわけないじゃん」
不安そうに眉をよせていた名前の唇に、軽く自分の唇を重ねながら快斗は優しく囁く。
(何を心配してんのかなぁ、ったく…)
名前が何かを隠そうとしているのに気付きながらも、快斗は名前を抱き締めたまま追及せずに、安心させるようにポンポンと背中を優しく撫でた。
大海の奇跡編fin.